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短編小説「夢の中」

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#短編小説

変な夢シリーズ〜勝手にシェアハウスの夢〜

今のアパートに引っ越してきたばかりの頃、
こんなゆめをみた。

私と夫は夢の中で、綺麗な家に引っ越したばかりだった。
アパートなのだが、奥行きがあり、広い。
玄関を開けてしばらくすると、ホテルのロビーのようなイスやテーブルが並んでいる場所がある。
2段ほどの段差があり、そこを上がるとその場所があって、なんとも言えない空間だった。
私は夢の中で、このアパートが現実のものだとすっかり勘違いしていて、こ

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変な夢シリーズ〜マスクを忘れた夢〜

私は夢の中でどこかへ急いでいた。
ちょうど電車に乗った瞬間、私はマスクをし忘れていることに気づいた。
悲しいかな、夢の中でもマスクをするのが当たり前の世の中だ。

私は、マスクをしていない自分の口元を、人々に見られることを恐れた。
だが、周りを見ると、なんとまあ、みなマスクなどしていないではないか。
と思ったのも束の間、よく見るとおかしな光景が広がっていた。
なんと人々の口元に、にこっと口角の上が

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変な夢シリーズ〜知らない土地の同窓会にて〜

少し楽しくて、あっけなく終わる夢だった。

私は知らない地域に来ていたようだ。
それも、なぜかバス停の横あたりで、まるで遠足の帰りの会のような雰囲気で、何列もの人々が、
がやがやと立っていた。
そこになぜか、自分もいる。
どうやら、同窓会をしているような若者の集団の中に、全く知らない部外者の自分がいるようだった。
自然体で、とても仲の良さそうな集団だった。

その人たちも、あたかも自分のことを知っ

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変な夢シリーズ〜冷蔵庫の夢〜

私は夢の中で、5年ほどアパートの家を空けていたようだった。

久々に家に入ると、5年前家を出たままの状態であった。
蛍光灯の電気もついている。
何もかも、5年前のままのようだった。
誰も住んでいなかったのに、住んでいたかのように
明るい生活感のある部屋。
どのように、この部屋の物たちは何年もの月日を過ごしたのだろうか。

冷蔵庫を開けると、中に入っている食べ物は、ほとんど傷んでいないように見受けら

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変な夢シリーズ〜祖母の夢〜

私の祖母(母方の)は、孫たちから「おーママ」と呼ばれていた。母親の母親だから、大きいママみたいな意味で、そう呼ばれていたような気がする。

おーままは、亡くなった後もよく夢に出てきた。
1番最近でいうと、昨年、妊娠中にこんな夢を見た。

私は母と一緒にいた。
私たちは、どこか知らないアパートのような建物のドアを開けて、入っていった。
薄暗い部屋で、家具なども見当たらないし、そこに住んでいる人などい

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変な夢シリーズ〜100円玉の夢〜

夢の中で、私は夫と自分の姉とともにフランス・パリへと向かっていた。
よく夢でパリに行く夢を見るのだが、それはきっと私が唯一行ったことのある外国がフランス・パリだからに違いない。

私たちは、空港へ向かうための電車に乗ろうと、タクシーを使って最寄駅へといそいだ。
タクシーを降りる時、私は会計をすませようと
財布を取り出した。
ここから、私の長い100円玉の苦戦がはじまるのだった。

細かい端数分を1

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変な夢シリーズ〜女だけの街〜

短い夢をみた。

***

気づくと駅の構内にいた。
もう夜だった。
そこは、子供の頃、千葉に住んでいた時によく利用していた柏駅のようだった。
私は東口の出入り口付近にいて、外の様子を見た。
おかしなことに、デパートもどこも営業していない。
ビルにあかりがついていない。まっくらだ。

コロナだからとはいえ、大きいデパートですら
営業を完全にストップしているのか。
夜といってもまだまだ7時とか、その

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【夢への執着駅】現実逃避駅からの乗り換え ❹

行きつく先は、どこだろう。
終点は、なんためにあるのだろう。
現実逃避駅にいては、なにも生まれないが
夢への終着駅へ行ったとしてもなにも始まらない。
けれどはじまりはおわりだ。
わたしは未来の駅へと向かうため、
まず「夢への終着駅」で降りようと決めた。

夢への執着駅を降りるとそこには、私がこれまでに見た夢の中の世界が広がっていた。

✳︎✳︎

当時、思いを寄せていた人の夢を見た。
その人は

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【夢への執着駅】現実逃避駅からの乗り換え ❸

行きつく先は、どこだろう。
終点は、なんためにあるのだろう。
現実逃避駅にいては、なにも生まれないが
夢への終着駅へ行ったとしてもなにも始まらない。
けれどはじまりはおわりだ。
わたしは未来の駅へと向かうため、
まず「夢への終着駅」で降りようと決めた。

夢への執着駅を降りるとそこには、私がこれまでに見た夢の中の世界が広がっていた。

✳︎✳︎

夏の暑い日、私は和室に沢山の布団が敷いてある広い

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【夢への執着駅】現実逃避駅からの乗り換え ❷

行きつく先は、どこだろう。
終点は、なんためにあるのだろう。
現実逃避駅にいては、なにも生まれないが
夢への終着駅へ行ったとしてもなにも始まらない。
けれどはじまりはおわりだ。
わたしは未来の駅へと向かうため、
まず「夢への終着駅」で降りようと決めた。

夢への執着駅を降りるとそこには、私がこれまでに見た夢の中の世界が広がっていた。

✳︎✳︎

夜のデパートの中は慌しい。

夜のデパートは

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【夢への執着駅】現実逃避駅からの乗り換え ❶

 
行きつく先は、どこだろう。
終点は、なんためにあるのだろう。
現実逃避駅にいては、なにも生まれないが
夢への終着駅へ行ったとしてもなにも始まらない。
けれどはじまりはおわりだ。
わたしは未来の駅へと向かうため、
まず「夢への終着駅」で降りようと決めた。

夢への執着駅を降りるとそこには、私がこれまでに見た夢の中の世界が広がっていた。

✳︎✳︎

雨の降る寒い日に、私はこんな光景をみた。

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海と私と詩の朗読コンテスト

少し前に、こんな夢をみた。
夢の中で、即興詩の朗読コンテストに出場していた。
私はどうやら詩人の卵みたいな、ある程度の才能が認められている者として出場をしていて、周りから期待されているという設定だった。

そしていよいよ出番がきた。
私はゆっくりと詩の世界にひたりながら、得意げになって詩を朗読した。気持ちがいい。
私ひとりが今、この瞬間を支配しているかのようで、胸の鼓動が鳴り響くのを感じるのであ

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