2020年10月の記事一覧
恋心と決意|国興しラブロマンス・銀の鷹その32
今後、どう軍を進めていくか、ますます激しくなっていく戦況に、それに対する念密な計画を立てるため、そして、その為の資金繰りのため、その地での滞在は伸び続けていた。
というのもその地を後にすると、資金援助を頼めれるような大きな街はない。そして、街の自警団とは言え、かなりの兵力を持つその街は、安全度も高かった。勿論、ガートランドに抵抗している数少ない街の一つでもある。
「なー・・」
「どうしたの
はじめてのプレゼント|国興しラブロマンス・銀の鷹その24
城の外へ出、街の中心地にある広場の入口に馬を繋ぐと、2人は歩いて回ることにした。
-わいわい、がやがや-
様々な露天商が並ぶそこは買い物客などで賑わっていた。
「迷子になるなよ。」
アレクシードはセクァヌの肩に手を回し、そっと引き寄せる。
「はい。」
セクァヌにはそれがたまらなく嬉しく思えた。
「そこの戦士のお兄さん!恋人に一つどうだい?」
通りを歩く2人に元気な装身具を取り扱っている
愛しい人は?|国興しラブロマンス・銀の鷹その23
「どうじゃの、姫、この後街へ出かけられては?」
朝食の席で、レイガラント王がセクァヌに話し掛ける。
「はい、そうさせていただきます。」
「では、輿を用意させるとしよう。それから、王子もご一緒してよろしいかな?」にっこりと微笑むとセクァヌは答えた。
「ありがとうございます。でも、私そういったものには慣れてませんし、それにもう約束がしてありますので。」
「約束?」
「はい。せっかくこうして
幻夢恋慕 |国興しラブロマンス・銀の鷹その22
「シャムフェス!」
「ん?なんだ、アレク?」
セクァヌの後を追って歩いていた途中でシャムフェスの姿を見つけたアレクシードは声を荒げて呼びかけた。
「なんだ、じゃないぞ?お前・・お嬢ちゃんになんてこと言ってくれたんだ?」
「なんのことだ?」
そう言われて、アレクシードは口ごもる。
「う・・い、いや・・・・つまりあれだ・・・昨夜の・・・」
「それがどうかしたか?」
どうやらシャムフェスは本当
憤りと逆転勝利|国興しラブロマンス・銀の鷹その19
-ブルルルル・・・・-
軍の先頭に立ち、間もなく敵兵の集団が見えるであろう方角をセクァヌはじっと見つめていた。
「姫!」
馬に乗ったカシュラン王子がセクァヌに近づく。
「姫、私もご一緒します。」
(守るとでもいうのか?お前のような若造が守れるようなお嬢ちゃんじゃないんだぞ?!)
一旦戦闘が始まれば、常に激戦地のしかも中心にその身を置くセクァヌ。
それを思い、アレクシードはそう叫びたかった
すれ違う心と心|国興しラブロマンス・銀の鷹その18
戦士以外の何者でもないアレクシードは、そういったことは大の苦手だった。贈り物ややさしい言葉・・そして甘く囁く愛の言葉。
が、決して彼の風貌が合わないというわけではない。
どちらかというとアレクシードの顔立ちで言われたら心躍らせない少女はいないだろうと思われた。
性格的にそういったことは苦手だけなのである。
そんなアレクシードをシャムフェスは宝の持ち腐れだと時々からかった。
戦士アレクシードの