【再掲】80年代の日本ロックシーンを辿る旅ver.2 / ジギー、X 、ブルーハーツ、、欧米のパンク、ロック、ハードロック&ヘヴィメタルの日本独自解釈
海外の音を日本風にアレンジ
日本のロックやポップスは、基本的に海外の流行を取り入れて、そこに日本独自のエッセンスをまぶして発展してきています。
これは、インターネットが無い時代の特性とも言えるような気がしています。
当時は、ラジオを聴くか、雑誌を買うか、海外ならば、海外在住者からの情報で情報を入手するほかはなく。
さて、この中で、今回は、80年代に特筆すべきバンドが生まれていったパンクロック、ハードロック&ヘヴィメタル由来のアーチストを取り上げてみようと思います。
ハードロック由来
80年代は、70年代後半ニューウェーブの波に押されていたアーチストが復活した時期でもありました。
エアロスミスは、外部ライターを入れてアルバム「パーマネント・ヴァケーション」で、KISSはメイクを落としながらも完成度の高いアルバムを発表。
きっかけは83年、クワイエットライオットというバンドの「カモン・フィール・ザ・ノイズ」という曲です。この曲が、英国で起きたメタルムーブメント(NWOBHM)と米国をつなぐ架け橋になった。
84年に、その名も「1984」というアルバムタイトルでヴァンヘイレンも大きなヒットを飛ばし、東海岸からはボンジョヴィがデビューという風にハードロックがメインストリームに躍り出ることになります。そして北欧からもヨーロッパやハノイロックスが出てくるわけです。
日本でもこの影響をうけ、米国ロックの影響を受けたバンドが出現していきます。
このハードロック由来で、当時、特筆すべき存在だったのはZIGGY(ジギー)でしょう。
日本のバンドには珍しい、泥臭い(つまりブルージーな)ロックをやっていました。ストリートスライダーズというバンドも、これに近かったんですが、ジギーはより、わかりやすかった(つまり、適度にハードで、適度にポップだった)。
この適度さ加減が日本のバンドが海外の音楽を取り入れるときのポイントなのかもしれません。まるっと真似するのではなく、適度に、取り入れていく。
このジギーというバンドが一般に知られるようになったのは「グロリア」という楽曲から。これ、ドラマの主題歌になったことがヒット要因ですが、ドラマは89年で、実はその1年前にすでにセカンドアルバムの中の1曲として発表されていたんです。
この曲に代表されるように、適度にハードで適度にポップが彼らの代名詞。
特に初期のアルバム3枚目、4枚目は日本ロック史に残る傑作と思います。適度にエアロスミスや、ハノイロックスのリフをまねていたりして、それも微笑ましい。(のちにB’zもエアロスミスなどを真似てますが。)
このバンド、まずは大胆にポップな方向に軸足を移していったと思いきや(劇空間プロ野球のテーマ曲になっていたのもこのころ。)、その後、徐々に音をソリッドで、、激しいロックに変換させていき、、、古参のファンからは、なんかちょっと違う、、、という風になっていってます。
このバンドもまた、思い出の中に生きています。
その他、アメリカンハードロック由来のバンド言えば、、
・ストリートスライダーズ
・(90年代ですが)イエローモンキー(米国ハードロックの、英国流解釈の音のような気もしますが)
ヘヴィメタル由来
メタルという音楽は、ヘヴィメタという呼び方に代表されるように、誤解されて80年代の日本に広まりました。この誤解されたヘヴィメタルの波に、あえて乗って、最終的には誰もが到達できないところまで登っていったのが、Xジャパン(当時X)です。
日本のバンドで、ツインリード(ツインギター)のハモりを聞かせてくれたのは、表舞台にいるグループの中では彼らか聖飢魔Ⅱくらいでしたでしょうか。メタルを理解している人が、メタルを日本語にのせて演奏している。。という事実だけでも素晴らしいことだったと思います。
最近も、まだまだ人気のあるグループですが、高い音楽性と、高い音楽作成能力があったという点は、知っておいてもよいかと思います。
その他のメタル由来のバンドですが、
・ラウドネス。本気のメタルバンドです。メタルすぎてお茶の間では話題になっていませんが(これがXの特異点とは違う面で)、米国でも成功した数少ないバンドです。
・VOWOW。超絶ボーカルのいたバンド。メタリックなハードロックですね。
パンクロック由来
今でこそ、短髪ロッカーは珍しくないと思うんですが、やはり、あのわかりやすいビートに乗って、短髪のボーカルが跳ねる姿は、まさにパンキッシュ。
パンクという言葉や音楽を知らずとも、画面から伝わる音はパンクでしたね。あのストレートなギターもまさに。これはラモーンズあたりを聞いてみるとよくわかります。
当時の日本には、地下にしか存在しなかったパンク(その後、いくつかの変遷を経て、メロコアになっていく音ですが)が、メインストリームに躍り出た瞬間が、このブルーハーツの登場だったと思います。
俗に、メロコアバンドに多く見られるのですが、ちょっと読めない字体のバンド名やロゴがあったり、ちょっと意味不明なジャケットが多かったりするのと、なんとなく近寄りがたい雰囲気を醸し出しているわけですが、ブルーハーツはその点も大きく違っていましたね。
また、特筆すべきはその歌詞。
彼らの歌詞は、誰もが読むだけで(深読みしなくても)理解できる内容でした。それが、あのわかりやすいメロディにのって、響いてくるわけですから、当時の中高生は心をつかまれてしまったわけです。
このブルーハーツがもたらした、わかりやすいビートが、のちに(90年代に)メロコアというジャンルへと発展していきます。
・(90年代ですが)Hi-Standard
ブルーハーツについては、個別に語ろうと思います。
日本のロックシーン、次回は、80年代末から数年間、短期的に沸き起こったバンドブームと、そこから飛び出してきたバンドたちを紹介しようと思います。
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