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調和を考える|2021年6月に読んだ本

「協調性」という言葉は「みんなが我慢して同じことをする圧力」のようなニュアンスが感じられて、言葉として好きではないのですが、それに対して「調和」は、相容れないものでも混ざり合って変化していく意識が含まれているようで、なんだか好きな言葉です。

2021年6月に読んだ本の中で、おすすめしたい本を選んでご紹介します。
誰かの選書のヒントになれば嬉しいです。

陰翳礼讃|谷崎潤一郎

日本文化の美意識や暗がりに対しての感情はどこから来ているのか。西洋近代化して便利になっていくことで、失われた文化やこぼれ落ちたものがあるのではないかと思い、辿り着いたのが昭和初期に発行された「陰翳礼讃(いんえいらいさん)」でした。

陰影があってこその光であり、どちらか一方ではなく、調和が大切であるという考え。光と影の質感を捉えた写真とともに、書かれた言葉を堪能できるような構成になっています。

しない生活|小池龍之介

「煩悩」と「お稽古」というタイトルから、「忍耐」について説いているのかと思いましたが、人生の生き方や考え方の本でした。弱さを跳ね除けるのではなく、ただ弱い部分を認めて、内省だけに踏み留まる。

異質なものと出会ったとき、評価や次の手をうたず、ただ自分の気持ちに気付いてあげる。それこそが調和の第一歩なのかもしれないですね。

メタモルフォーゼの縁側|鶴谷香央理

75歳と17歳の共通点ってなんでしょう。実際に自分がどちらかの年齢だった場合、相手と何を話すのか想像できません。そんな年齢差のある2人の間に共通の好きなものがあったならば、そして周りに同じものを語れる人がいなくて2人が出会ったら、という話です。

漫画はアクションやフィクションのジャンルも好きですが、最近はなんともいえない曖昧な人間関係を表現した漫画が好きです。現実世界でもその曖昧さにより、救われることもあるからです。曖昧な人間関係こそが調和と呼べる状態かもしれません。

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6月には住んでいたシェアハウスからの引越しを決めました。住民とオーナーに色々問題があったところなのですが、改めて人との調和の難しさを感じました。相容れない関係だとしても、話し合いに応じるという姿勢は大事ですね。


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