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記事一覧
ヒトの体を構成する60兆個の細胞
ヒトの体を構成する60兆個の細胞は、絶えず生まれ変わり、新しい細胞に置き換えられている。そしてその更新の周期は、組織によって異なる。
腸管上皮細胞は数日で、皮膚は4週間、血液は4か月、骨は4年で全てが入れ替わる。だから4年後の私は、今の私ではない、新しい私だ。
でも、例外もある。それが心筋と神経細胞で、それらは、増えたりしない。つまりココロは、私たちの本質を司る、唯一変わらない部分ともいえる。
引きこもりの治療について
引きこもりの治療について、T先生が解説する。「「愛」に依存するべきではありません。むしろ愛を禁欲してでも、ひたすら「親切」を心掛けるべきです」。
愛する対象だからこそ、焦りや期待を抱き、時に押し付けが生まれてしまう。それがかえって相手の心を閉ざし、更なる孤立を招いてしまう。
そういえばカート・ヴォネガッドも「愛は負けても親切は勝つ」といっていた。そして、Sのことを思う。愛に対して禁欲的になれな
田舎に遊びに来た孫を囲んだ食卓で
田舎に遊びに来た孫を囲んだ食卓で、祖父は、冗談めかしていった。「ミョウガを食べると、物忘れがひどくなる。
お前はこれから賢くならなきゃいかんのだから、食べ過ぎちゃいかん」。幼い私は、半信半疑でそれを眺めた。それは俗説なのだ、と随分と後になって知った。
「むしろミョウガの辛み成分には、脳に刺激を与える効果もある」なんて程度の雑学を携えた私は、でも、祖父の期待に反し、大して賢くは育たなかった。
ウエイトライスを贈る
ウエイトライスを贈る新郎新婦の涙と、それを受け取る彼等の両親の涙。それを見守る友人たちの涙。それらに釣られて、私も暗闇に紛れ涙を拭っている。
新郎新婦の出生時の体重と同じ重さのお米に赤ん坊だった頃の写真やメッセージを添えて両親に贈る。それがウエイトライスです、と司会が説明してくれる。
初めて我が子を抱き上げた記憶と、近くから遠くからその成長を見守ってきた月日と、彼と彼女が旅立っていく寂しさと。