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【毒親】『親という傷 幼少期の心の傷をとりのぞけばあなたの人生は好転する』◇まとめ その15【トラウマ】

 本書のまとめの15本目。今回は最終章の「Chapter.11 あなたは再生できる」です。

 本書もいよいよ大詰めになってきました。

全部の目次は,こちらの記事に記載しています。


Part4 あなたは再生できる

Chapter11 変化を確かなものにする

『あなたが賛成してくれなくても,非難しても,あざ笑いさえしても,私は大丈夫。これが自分の本心だとわかっているし,自分に属することで自由を感じている。』やった! 自己主権の誕生だ。これは自動的に生まれるものではない。」(p.351)

 ここまで「心の根元にある傷」について,「その傷を癒やすためのワーク」をいくつか重ねてきました。

 この章では,それらの総決算になります。

 この章で最初に著者が伝えたいことは,「自己統合の必これまで行なってきたワークを「日々繰り返し行なうこと」です。行なってきたワークを「日々繰り返し行なうこと」です。

 まず,「自己統合」という言葉について。

自己統合」とは,著者によれば,「ばらばらな自己の各部分をひとつにまとめるワーク(p.345)」であると言います。また,「行動や人への態度を,傷ついた自分ではなく,本来の自分と一致させる(同)」ことであるとも述べています。心の根元にある傷を癒し克服することで,この「自己統合」に至ると,著者は言います。

 次に,変化は常に可能であるということについて。

 本書をここまで読み,様々なワークを行なってきたなら,これらのワークを通して「自分」はいつからでも「変化させることが可能」であると,薄々気づいているかもしれません。

 しかし,自分を変えたいと思いながらも変われず,元に戻ってしまうのは,「何十年も繰り返してきた人間関係における習癖(p.346)」のためであると著者は言います。

 時間をかけて習得したものを変化させるには,やはり同じように時間が必要です。

 そこで著者が勧めるのが,「本書のワークを繰り返し行なうこと」です。変化は一夜にして起こりません。一つ一つは非常に小さな変化かもしれませんが,その小さな変化を,毎日積み上げて,大きな変化へと変えていきます。

 また著者は,過去の様々な研究から,本書のワークが人間関係の改善に結び付くこと,そしてそれに伴い,心身の健康にもつながるとも述べています。やがてそれが,自分が高齢になったとき,充実した人生を謳歌できたという満足感へとつながるということです。

 これらの3点を知った上で,最後に著者の考える,心の傷を解決させ,前に進んでいくことにおいて重要な4つのことを,著者の言葉と共に見ていきましょう。

自分らしく生きる

あなたは,なんらかのふりをする必要があるような気がしないだろうか。ありのままの自分ではなく,相手が望む人間になろうと力を注いではいないだろうか。(p.350)」

自分自身を選ぶとは,自分勝手になることではない。(中略)胸を張って本心を話し,人のために自分を偽らないことだ。(p.351)」

もし本来の自分らしさを試してみる用意ができたら,まずは,日々の生活の中で自分らしさを手放してしまうのはどういうときか,突き止めることから始めてみよう。(p.353)」

いったん立ち止まることの大切さ

いったん立ち止まれば,気づく瞬間をもつことができる。(中略)いったん立ち止まれば,傷を見つけてケアし,客観視し,悲しみ,最後に方向転換できるようになる。(p.355)」

テレビのリモコンを手にとったつもりで一時停止ボタンを押し,その(あなたがした口論やけんかで,あなたが反応する直前の)瞬間の静止画像を見てみよう。(p.355)」

「(いったん立ち止まることを)けんか中ではないときの方が練習しやすいことも忘れないでほしい。(p.356)」

平和か、苦しみか

じつは,あなたにとっての平和は,必ずしも楽で心地よいものとはかぎらない。(p.357)」

平和が本来の自分らしさを選ぶことであり,人から拒絶されることでもあるなら,その選択はかなり不快で気まずいものだろう。(p.358)」

「(平和を選べるようになるには)その秘訣は,自分の声に耳を傾け,自分が選んでいるものと選んだ理由を明確にすることだ。(p.358)」

自己愛

自己愛とは,自分への思いやり・慈悲・優しさと,自分がもつべき義務・責任・当事者意識の交差する点である。(p.359)」

自己統合の練習にも,自己愛が必要になる。(p.360)」

「(懸命に直そうとしても,また以前と同じ行動をとってしまったときは,)自己愛には,両方が必要であることを思い出そう。優しさと義務の両方,慈悲と当事者意識の両方,思いやりと責任の両方である。(p.360)」

―― ■ 以上が本書のまとめ。以下は私の感想文です ■ ――

 長かったですが,最終章を読み終えました。かなりボリュームのある一冊だったなと思います。

 振り返ると,この本を読んだのが「人生どうもうまくいかない…」「どうしてこんな自分なんだろう…」という疑問を持ち,生きづらさを感じていたからでした。

 幼少期を振り返って,自分が「両親から十分に愛情を注がれなかった」「家庭が安心を感じられる場所ではなかった」など,目を瞑っていたかったことも,ありありと見えてきました。

 本書を読んで,かなり自分の気持ちや精神状態を揺さぶられました。もちろん良い発見の方が多かったと思いたいですが,無意識に苦しみも感じていたかもしれません。

 ありがたくも,このまとめを多くの方に読んでいただけました。当初は広く皆様に読んでいただく予定ではなかったのですが,自分の書いた記事が読んでいただけることの嬉しさを感じられました。

 まとめをお読みいただいた方,フォローしていただいた皆さん,本当にありがとうございます。

 ただ,このまとめの記事を読みながら,本書を購入され,ワークを行ない,精神や気持ちをひどく揺さぶられ,体調を崩された方がいらっしゃいましたら,著者も「おわりに」で述べていますが,臨床心理士のカウンセリング,精神科医の受診をおすすめします

 まとめにも書きましたが,本書のワークを続けることが,大切だと思います。これまでの自分を形作るには,相当の時間がかかったのと同じように,自分を変えるにも相当の時間がかかります。

 でも,私と同じように,生きづらさを感じている皆さん,本書で人生のすべてががらりと変わる保証はできませんが,少なくとも,変わろうとするきっかけを作ってはくれると思います。

 著作権の都合上,全部を紹介することはできませんでしたが,もしお気になる方がいらっしゃいましたら,以下のAmazonのリンクから,ぜひ購入をご検討ください。

 以上で,本書『親という傷 幼少期の心の傷をとりのぞけばあなたの人生は好転する』(ヴィエナ・ファロン (著), 牛原眞弓 (翻訳),2023,SBクリエイティブ)のまとめを終わります。

★ ありがとうございました ★

本書のリンク(Amazon)


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