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毒書人の楽園(映像版)

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観ている映画やテレビドラマについてあれこれ
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#映画レビュー

『室町無頼』理解力が足りなくて申し訳ない気分

今年公開の映画で予告編を見て一番期待していた映画ですが、ちょっとガッカリ。 最近、邦画を見る前に期待し過ぎて、見終えて辛口になることが多いので、今後はできるだけ期待せずに映画をもっとフラットな心持ちで観たいと考えたりします。 なんにせよ、チャンバラ映画としては楽しめる映画である事は間違いありませんし、映画館の大迫力で観るべき映画であることも間違いない映画でした。 ただ、面白かったのですが、これは映画で理解するのは諦めて、原作小説を読んでみるしかないと思った次第です。 時代

『仕掛人・藤枝梅安』殺したら殺される死の螺旋の物語

池波正太郎原作の「仕掛人・藤枝梅安」のシリーズは全作読んでいないのだけど、必殺仕事人が好きだった私としては、このシリーズも好きな部類に入ります。 渡辺謙が主演のテレビシリーズは全作を観ることが出来ませんでしたが、再放送で何作かは観ています。全部の作品を観たいのですが、諦めていました。今回映画二部作で主役を豊川悦司に変えて製作されましたが、映画館に観に行こうと思っていたら、すぐに上映が終わったので観ることができず、やっと観ることができました。 池波正太郎が生み出した不朽の名作

『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』一本では楽しみ半減だけど‥

キャプテン・アメリカという名前は時代遅れに感じても、中身はアップデートし続けています。 キャプテン・アメリカ自体も代替わりし、ヒーロー名が受け継がれていくというヒーロー自体が珍しいのではないでしょうか。 今回の映画でも一本の映画としては成立していますが、これまでの長いMCU(マーベルシネマティックユニバース)の作品群を観ていなければ十全には楽しめない作品ではあります。 ですが、これだけ観て楽しめないというわけではなく、楽しめる映画に仕上がっているけど、なんだか惜しい気分になる

『ドクターX FINAL』いや失敗してますけど

今年の映画というよりも去年公開なのですが、映画館での公開が終わる前になんとか間に合いました。 テレビドラマのシリーズで長らく楽しませて頂きましたが、この映画でついに完結という事で、これは是非にも映画館で観なければなるまいと思っていました。 毎回主役の天才外科医の大門未知子が「私失敗しないので」と言いつつ難手術をこなし、高価な手術代をメロンと一緒に請求するというパターンでドラマを楽しむというより一種の方の決まったコメディとして楽しんでみていた感じです。 最初は巨大な権力を持っ

『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』日本語の副題ってホント間違ってると思う

簡単にストーリーを書くと、死者を見ることができるというか、霊魂を見るというか、しゃべることの出来ない死者の代弁をするというか、とにかく霊能力を持ったコックが大量殺人を食い止めるために奔走する物語とでも言ったら良いのでしょうか。 YouTubeとInstagramで動画が流れてきて面白そうなので検索したらAmazon Prime Videoで観ることができたので観たのですが、今後続編も同じ世界線で作ってもらいたいと思えるほど面白かったです。 ですが、副題を見て想像した内容か

レッドワン サンタはマッチョでなければならない!

自宅で今年最初に観た映画は、去年のクリスマス前に観るのがふさわしかった映画で、映画館に観に行くつもりが、すぐに終了してしまって残念ながら観に行く事ができませんでした。 サスペンス風に描くなら、サンタクロース誘拐事件ということろでしょうか。 良い子にしていればクリスマスにサンタクロースからプレゼントがもらえるんだよと言う言葉を信じていたのは何歳までですか。 というか、キリスト教徒か信じていない、聖ニコラウスとか、そういう風習がなかった日本にサンタクロースが来るようになったのは

ビーキーパー 養蜂家の正体は養蜂家?

今年最初の映画として選んだのは日本映画でなくて、洋画でした。 去年の最後は邦画でガッカリしたので、洋画でスタートです。予告編を見た段階で好みの映画の感じだったのですが、こういうの好きだわ。 静かな隠遁生活を送る養蜂家をジェイソン・ステイサムが演じていますが、もうジェイソン・ステイサムがいる時点で普通の人では無い雰囲気が紛々と漂っています。 最初の平和な暮らしが壊されることが分かっているので観ていて少し辛いですが、フィッシング詐欺に引っかかって自殺に追い込まれてしまいます。

『室井慎次 生き続ける者』ネタバレ注意する必要はあったのか

映画を見終わった人達の賛否両論、感動した人から、駄作だと怒り狂う人まで両極端な映画評があふれていますが、私は見終えてどうだったのかというと、2024年に観た映画の中で、現在映画館で観た映画20本の中で、残念ながらワースト3に入ってしまいました。 だいたいにして、今回の映画、いろんなニュースでも見ていましたが、俳優の柳葉敏郎さんを室井慎次という役から解放してあげたかった、という言葉を読んだ時点で、もう室井慎次さんをこの映画で殺すつもりなんだなぁと思ってしまったのですが、更に先日

【ネタバレ注意】ヴェノム ラストダンスは序章である

ヴェノム最終章、三部作完結。 という触れ込みのこの映画、1作目2作目よりもスケールは大きくなりすぎている気もしますが、MCUの世界がいろんな作品と融合して大きくなってきているので、仕方ないことなのかもしれません。 二人?の人間とシンビオートのバディ映画とも言えるでしょう。 今回はヴェノムを創った神?であるヌルが登場、この宇宙が出来る前から存在するらしいヌルが自らの創造物であるシンビオートによって幽閉されていて、そこから解放されるためには、ヴェノムの中のあるものが必要だという

ACMA:GAME 最後の鍵?だったのか

テレビシリーズをやってから映画で完結というのは最近のテレビドラマのパターンではあるが、原作のファンとしてはテレビシリーズがある意味がっかりな出来だったのにそれをスケールアップして映画というのは大丈夫なのかという心配しかない。 原作漫画で主人公と最後のアクマゲームを闘う事となった父親との対決を終え、原作とは全く違った展開で続いてしまった本作。 しかも、敵役のトップがまさかのあの人?? しかも予告編を見ると、悪魔がゴジラかというようなトンでも映像も見えて、もはや心配しかない。

八犬伝 虚実の割合の是非

南総里見八犬伝というと日本ファンタジーの原点とも言える作品として有名ですが、今回の原作は山田風太郎の本が原作となっているので、八犬伝自体は原作の原作といったところでしょうが、映画の尺の問題もあるのだろうけど、二十八年もかけて書いてきた八犬伝が短すぎる。 というか、ずいぶんエピソードを端折ってるよね、というのが私の印象です。 これは作品自体の評価は原作本読んでからだなと思うので、本屋に買いに行くつもりです。 この映画の見どころとしては、八犬伝という虚の物語と、それを描いた滝

映画「室井慎次 敗れざる者」レビュー「事件は家のすぐそばで起きてるんだ」

あの「踊る大捜査線」シリーズの室井慎次が帰ってきた! 今回は、シリーズ本編ではなく、スピンオフ作品として、また室井慎次を主人公に迎えた新たな物語が展開されます。 「容疑者 室井慎次」から、盛り返して警視庁での活躍を期待していましたが、警視庁を去り、地方で新たな人生を歩み始めた室井。彼は、過去に起きたある事件の責任を背負い、静かに暮らしていました。しかし、平穏な日々は長くは続かず、新たな事件に巻き込まれていくことに…。 本作の魅力 室井慎次の新たな一面: これまでのシリ