マガジンのカバー画像

主治医のUI/UXデザインTips集

28
デジタルプロダクトのUI/UXだけでなく、モノやコトの体験にまつわるTipsも配信していきます。
運営しているクリエイター

#プロダクトデザイン

スマホケース。巨大なアフターマーケットを創出

スマホのルックスを自分好みにカスタマイズできるスマホケース。さまざまな素材、色、デザインのものが世の中に溢れています。 現代の技術で滑らないスマホの製造は可能なはずです。しかし、あえてそうしないのは、スマホケースという巨大なアフターマーケットを創出するためかもしれません。 この市場は2023年には世界で約300億ドル規模に達し、Casetifyのような成功例も生み出しています。保護機能や個性化のニーズを満たすだけでなく、新たな雇用も創出しているのです。 控えめに言って、

詰め替えウェットティッシュ。2枚目のティッシュがついてこない

汚れを手軽に拭きとれるウェットティッシュ。皆さんの生活でもよく使われていると思います。 中身が無くなったらケースを再利用し、詰め替えパックを買うのが一般的ですが、中身を入れた後、1枚目をケースの取り出し口へ通すのが難しく、やっと押し込んでも2枚目がついてこないことが多くてストレスを感じます。 この問題、皆さんはどう対処していますか。 注)主治医はプロダクトデザイナーではありません。UI/UXデザイナーから見た考察となります。 役割ウェットティッシュは、私たちの日常生活

冷感インナー。トップスからはみ出てみっともない

冷感インナーがすっかり定着しましたね。特に夏に着用する場合、ワイシャツやTシャツの下に使うことが多いかと思います。 しかし、男性用のものはインナーの襟元がトップスからはみ出て目立つものが多いです。女性用のものは襟元がU字型にカットされるなど工夫がみられますが、男性用は一向に改善される気配がありません。 そもそもインナーとして売るなら、性別問わず「中に着るから外から見えないで欲しい」という役割をしっかり果たして欲しいと思うのは私だけでしょうか。 注)主治医はプロダクトデザ

ストローレスリッド。ストローを使う人が減らない

コンビニやテイクアウトできるコーヒーショップで見かけるようになったストローレスリッド。飲み口付きの蓋でストローを使わずにドリンクを飲むことができます。プラスチック削減を目的としたSDGs観点から注目を集めているこのリッドですが、ストローを求める客が減らず、採用の取りやめを検討する店舗があるそうです。 ストローレスリッドの課題の一つは中身をかき混ぜられない点です。これはストローを求める客が減らない要因の一つでしょう。また、「映え」するドリンクではデコレーションされており、結局

アルミチューブ。穴が開いてクリームが漏れる

アルミチューブのクリームは、折りたたんで使っているうちに角に穴が開いてクリームが漏れてきますよね。 アルミが無限にリサイクル可能な材料であること、内容物を保護するのに最適なことは知っています。しかし、カバンの中でクリームが角から出ていることがたびたび起こると「またか」とうんざりします。 その素材や製法がサステナブルだとしても、漏れてクリームが無駄になるとしたら、エシカルではありませんよね。もしチューブを他の破れにくい素材を使い、サステナブルな製法で一新できるなら、私は価格

メガネ滑り止め。フックが短いけどズレにくい

メガネの滑り止め対策としてテンプル(つる)に取り付けるシリコン製の製品がいくつかありますが、効果はまちまちで「これだ」という決定打が見つかりません。 円型はヘッドフォンと一緒に使うと耳が痛くなり、フック型はメガネの付け外しが面倒。カバー型は滑ってしまいます。人間から出る汗や脂を防ぐ製品ではないので、それが原因で滑るのは防ぎようがないですよね。そうなると、フック型が最有力で、さらに短いタイプのほうがより良い、というのが現時点での結論です。 メガネをかけてる皆さん、おすすめが

消せるメモパッド。ペンが小さすぎて書きづらい

消せるタイプのメモパッドがありますが、付せんサイズのものはペンが小さすぎて書きづらいです。筆記具は古来から、人が握って書くときのバランスと重さを考慮してデザインされてきたはずです。しかし、このメモパッドのペンは、人間よりも本体との親和性を最優先しているように感じます。 メモパッドを使う目的は書き留めることなのに、肝心の筆記具としての使いやすさがおろそかにされている気がしてなりません。伸び縮みしても構わないので、普通のペンのようにしてみてほしいですね。きっと評価が一変するはず

ボトル・ラベルデザイン。似すぎていて入れ間違える

シャンプーとコンディショナーのボトル・ラベルデザインは、デザイナーの腕の見せ所です。しかし、似すぎたデザインの製品も多く、詰め替えを間違えたことが何度かあります。 SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に当てはめると、詰め替えパックは「つくる責任」、入れ間違えは「つかう責任」です。 同じ地球に住み、恵みを分かち合うファミリーとして、消費者が「つかう責任」を果たせるよう、もっと見分けやすいデザインを目指してほしいと願っています。 注)主治医はパッケージデザイナーでは

カップ麺。調理時間とお湯の量が分かりづらい

全世界で年間約1,000億食も消費されるインスタントラーメン。お湯を入れて数分待つだけで、サッとおいしくお腹を満たせる国民食といってもいい食べ物です。 しかし、毎回思うのは調理時間とお湯の量です。「なぜ?」というくらい、パッケージの隅っこに小さい文字で印刷されていることが多いですよね。調べてみると、実際に「分かりづらい」という声が上がっていて、改善に取り組んでいるメーカーもあるようです。その改善後パッケージを見てみると、どうしても主役であるラーメンのビジュアルは崩したくない

爪切り。カーブが凄すぎて爪が切れない。

テコの原理が効きそうなデザインなのに「なぜ切りにくいんだろう」と不思議に思いました。 理由はテコ部分の高さにありました。カーブがあり、約45度まで上がります。このカーブのお陰で持ちやすいですが、高さがあるために大きく手を広げて持つ必要があるんです。この持ち方を続けると疲れるので、無意識に力が入って刃を閉じてしまう。だから上刃と下刃の間に爪がなかなか入らない、切りにくいということが起こっています。 爪を切るための製品なのに、切りにくいなんて本末転倒ですね。デザインが良いだけ

歯磨きセット。自立最優先、出し入れ大変

自立することを重視しすぎましたね。筒状のビニールケースは、口がどうしても内側に戻ろうとするので、中身の出し入れが大変です。歯磨き後の濡れた手で、ケースを広げながら歯ブラシを戻す。やってみると分かりますがなかなか難しいです。衛生的にもあまり気持ちの良いものではないですね。 例えば、ファスナーを上部に移動するのはどうでしょうか?「自立する・出し入れ簡単・どっちが上かすぐわかる」。製造工程が変わるとは思いますが、形については大きく変えずに済むと思うんです。 注)主治医はプロダク