ボトル・ラベルデザイン。似すぎていて入れ間違える
シャンプーとコンディショナーのボトル・ラベルデザインは、デザイナーの腕の見せ所です。しかし、似すぎたデザインの製品も多く、詰め替えを間違えたことが何度かあります。
SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」に当てはめると、詰め替えパックは「つくる責任」、入れ間違えは「つかう責任」です。
同じ地球に住み、恵みを分かち合うファミリーとして、消費者が「つかう責任」を果たせるよう、もっと見分けやすいデザインを目指してほしいと願っています。
注)主治医はパッケージデザイナーではありません。UI/UXデザイナーから見た考察となります。
役割
シャンプーとコンディショナーのボトル・ラベルデザインは、 ブランドイメージを高めるための重要な要素です。デザイナーは、視覚的に魅力的なデザインを作成するだけでなく、ユーザーが製品を簡単に識別し、正しく使用できるようにする責任があります。
このデザインは、日常的に使用される製品であるため、ユーザー体験を大きく左右します。
課題
多くのシャンプーとコンディショナーのボトルデザイン、そして詰め替えパックのパッケージデザインが似通っているため、ユーザーは詰め替え時に間違えることがあります。この問題は、特に視覚障害を持つユーザーや、急いでいる時に発生しやすいです。
似たようなデザインは、一見して識別が難しく、結果として製品の誤使用を引き起こす可能性があるのです。このようなデザイン上の課題は、ユーザー体験を損ない、日常生活における小さなストレスを増大させます。
これらの課題は、ユーザビリティの基本原則の下記に反しています。
エラー防止(Error Prevention)
柔軟性と効率性(Flexibility and Efficiency of Use)
また、「ユニバーサルデザイン」の観点からも改善の余地があります。
リスク
ユーザビリティの観点から、似たデザインの製品には以下のリスクがあります。
製品の誤使用による髪や頭皮のトラブル
シャンプーとコンディショナーを間違えて使用すると、髪の状態が期待通りにならず、不快感を覚えることになります。ユーザーのフラストレーションの増加
詰め替えや使用時に製品を間違えることは、日常生活の中で不必要なストレスを引き起こし、ユーザーの満足度を低下させます。資源の無駄遣いによる環境負荷の増加
特に詰め替えミスは、場合によっては中身を廃棄する必要があり、環境汚染につながるため、ユーザーが過失を感じることになりかねません。視覚障害者への配慮不足
視覚障害を持つユーザーにとって、識別が難しいデザインは特に問題であり、インクルーシブデザインの観点からも改善が求められます。
これらのリスクは、「アフォーダンス理論」と関連しています。製品デザインが適切な使用方法を直感的に示唆していないことが、誤使用の原因となっています。
解決案
シャンプーとコンディショナーのボトルデザインを改善し、ユーザー体験を向上させるためには、以下のような対策が有効です。
明確な識別マークの導入
視覚的に異なるデザインや色、形状を採用することで、ユーザーが一目で製品を識別できるようにします。例えば、シャンプーボトルとコンディショナーボトルの色を大きく異ならせる、または異なるパターンを使用することが考えられます。触覚的な識別手段
視覚に頼らず識別できるように、ボトルの表面に触覚的なマークやテクスチャを追加します(ユニバーサルデザイン)。これにより、視覚障害を持つユーザーや暗い場所での使用でも、製品を簡単に識別できます。エコフレンドリーな素材使用
環境負荷の少ない素材でボトルを製造する。
これらの解決策は、「インクルーシブデザイン」の原則に基づいています。これは、可能な限り多様なユーザーのニーズに対応するデザインアプローチです。
まとめ
シャンプーとコンディショナーのボトル・ラベルデザイン改善は、ユーザビリティの向上と環境負荷の軽減を同時に実現する努力がますます求められる領域です。例えば、ペットボトルの形状が飲料の種類によって異なるように、シャンプーとコンディショナーのボトルも明確に区別できる形状にすることができます。
色覚多様性にも配慮し、色だけでなく形状やテクスチャーでも区別できるようにすることが重要です。例えば、点字ブロックが視覚と触覚の両方で情報を伝えるように、ボトルも複数の感覚で識別できるデザインを採用できます。
このような改善により、消費者は「つかう責任」をより簡単に果たすことができ、同時に企業も「つくる責任」を果たすことができます。結果として、製品の使いやすさが向上し、誤使用による無駄が減少し、SDGsの目標達成にも貢献できるでしょう。
適切なデザインは、単なる見た目の問題ではなく、社会的責任と環境保護にも直結する重要な要素なのです。消費者と企業が協力して、より良い製品デザインを追求することで、持続可能な社会の実現に近づくことができるでしょう。
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