井崎英典の珈琲編集日記

珈琲道を模索中 / 第15代ワールドバリスタチャンピオン / 著書『世界一美味しいコーヒーの淹れ方』ダイヤモンド社 / 取材・イベント・製品開発などのお問い合わせ https://hidenori-izaki.com/

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最近の記事

希少性を高めてこそスペシャルティコーヒーであり、だからこそ価値がある

有難いことに出張の嵐である。年始からシンガポール、ドバイ、アメリカ、オーストラリアと出張が続き、今はインド、香港、韓国、フィリピンと約二週間の旅に出る。 ここ最近は踏んだり蹴ったりだった。ESTAがリジェクトされたり、フライトが遅延しまくったり、クレジットカードを忘れたり、バッゲージロストしたり、しかもインド行きのフライトも3時間弱遅れて更なるカオスを極めている。極め付けは香港で食中毒と凄まじい旅だ。 仕事でも世界各国で事故が起こり、その修正に追われた1ヶ月だった。まさに

    • 謝謝チャイナ

      3週間に及ぶ中国出張を終えようとしている。振り返れば強制隔離の8日間も、PCR検査を受ける毎日も、行動をアプリで監視される日々も懐かしく思える。 久しぶりの中国はダイナミクスに溢れていた。丁度僕の隔離中にデモが中国国内で起こり、ゼロコロナ政策は呆気なく幕を閉じた。元々は上海エリアから出て他都市に行くと、5日間は公共施設や飲食店への立ち入りができなかったが、それもサクッと変更になる。 凄まじい朝令暮改っぷりである。同時に「これが好きだから中国で仕事してたんだよなー」と思い出

      • 外食のカリスマがカフェレストランを手掛けたら?

        僕が始めたオンラインサロン「井崎英典のコーヒー共和国」は中々濃厚なメンバーが揃っている。 飲食、金融、商社、スタートアップアクセレレーター、マーケティングスペシャリスト、ソフトウェアエンジニア、バリスタ、ロースター、など、まさにカオスで多種多様な人々が「コーヒー」という思想の元に集う共同体の体をなしている。 実際にオンラインサロンのメンバーに事業創造、予実管理やファイナンス、人材紹介などガッツリうちの事業にも携わってもらっているくらい優秀なメンバーが揃っていて頼もしい。

        • バリスタという職業に誇りを持つ場所

          中国は上海に来ている。8日間の完全隔離の真っ只中。最後に入国したのが2019年12月17日なので、約3年ぶりである。しかも1989年振りの大規模なデモが上海で勃発し、我ながら凄まじいタイミングで来てしまったと思う。 実は珈空暈(コクウンと読む)と名付けた会員制 / 招待制のコーヒーバーを密かにオープンしている。珈空暈とは、禅語からインスピレーションを得た当て字で、すべてのものの存在する場所を示す虚空と、空海が悟りを開いた時に見た月暈を珈琲とかけて珈空暈としている。(なぜ英語

          異国の香り、リベリカのフレーバー

          約2年振りの海外出張である。コロナ禍以前は、例え10日間ブラジルに行くにせよパッキングは20分あれば十分だった。 久しぶりのパッキングは2時間もかかった。懐かしい思いに浸りつつ、昔の手順を思い出すようにパッキングをした。 以前はゲートクローズギリギリに行くのが常だったが、空港にも2時間前に着く徹底振り。思いの外、出国は非常にスムーズで特に面倒なことは何もなかった。 今回はとあるプロジェクトでフィリピンに向かうことになった。コロナ禍以前は頻繁に訪れていた国のひとつである。

          異国の香り、リベリカのフレーバー

          紙コップとスペシャルティコーヒー

          昨日はバリスタハッスルのパートナーであるMatt Pergerに紹介してもらったWhite2TeaのPaulから中国茶のレッスンを受けた。Paulは2005年頃から中国に移住し、プーアール茶を専門に中国各地を飛び回る生活をしているらしく、現在は雲南に落ち着いているそう。 ECを眺めていると、元々アートをバックグラウンドに持つ彼のセンス溢れるパッケージの数々に思わずジャケ買いしたくなる。彼が中国茶を始めた理由が、元々プロのオンラインポーカーの選手として毎日中国茶を飲んでいたこ

          紙コップとスペシャルティコーヒー

          新年度ということで感情を整える

          本来であればインドネシアに出張するはずの予定がキャンセルとなり、すっぽり予定が空いた。大型のイベント、新規クライアント、社外取締役を務める会社に初めての訪問と楽しみな予定が詰まっていたが、うまく回らない時は回らない。 「純喫茶のフィルターを通した食とコーヒー」をテーマに据えた会社を一緒に始めたWAGYUMAFIAの浜田さんは既にロンドン、スペインを飛び回っているのにな、と思いつつ自分もそろそろかなーと思う。 いつもであればR&D、イベント、企画、視察、アドミン、MTGに次

          新年度ということで感情を整える

          2021年も大変お世話になりました!

          海外で過ごすことのない1年はこの仕事を始めて以来初でした。スターアライアンスTOP1000に入るほど世界を狂ったように飛び回っていた僕にとって、国内に留まり続けた2021年は「異常」な年と言っても過言ではありません。 そんな2021年のバリスタとしての学びを総括すると「日本を学び直した1年」だったと思います。当然ながら海外に行けないからといって不貞腐れても仕様が無いので、思い切って日本を学びなおそうじゃないか、と思い日本中を飛び回った一年でした。 盛岡の南部鉄器との出会い

          2021年も大変お世話になりました!

          WBCの役割が変わった年

          コロナウィルスの世界規模の感染拡大の煽りを受けて、2000年から始まったWorld Barista Championship(以下WBC)の歴史上初めて2020年は大会が開催されなかった。 長い準備期間は調子を狂わせる。意外に思われるかもしれないが、実は準備期間は長すぎるとダメだ。体験的に3ヶ月くらいがちょうど良い。 ようやく開催された2021年WBCの参加国は38カ国。例年の参加国が60カ国に上ることを考えるとやはり参加者は少なかった。僕も作成に参加した「The Def

          WBCの役割が変わった年

          食・酒・水そして時々珈琲とCOJ

          ふと最後の海外出張はいつだったか思い出す。2020年2月、コロナが長期化する気配を感じてほぼ1ヶ月丸々海外出張に出かけていた。それ以来海外には出ていない。 本当はイタリアのミラノで開かれるHost Milanoに行く予定だった。というか行かなければいけなかったのだけども、日本帰国時の謎の自宅隔離2週間のハードル、イタリア政府のコロナ対応の方針転換によって、断念せざるを得なかった。 コロナ禍に突入して僕はコーヒーだけで戦うことをやめた。「コーヒーを通して素敵なコーヒーブレイ

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          #ヤバいデカフェ がヤバい

          私のSNS限定でデカフェを販売し始めて早6ヶ月経とうとしている。始まりは「世界でも最も美味しいデカフェを作ってしまえ」という悪ふざけだった。その経緯はこちらのnoteをぜひご覧頂きたい。 発売当初は首も座っていなかったジョーも、今ではつかまり立ちをするようになり、狭い家中を縦横無尽にハイハイするようになった。私たち夫婦のコーヒータイムのお供は変わらずデカフェなわけだが、美味しいデカフェがあることで間違いなくいつもと変わらないコーヒーブレイクを過ごすことができている。これめち

          #ヤバいデカフェ がヤバい

          ジャパニーズコーヒーを志向する日々

          蝉の鳴き声がひときわ感高く響く季節がやってきた。夏本番を迎え、オリンピックもいつの間にか開幕している。夏らしい空を眺めながら、水出しコーヒーを氷いっぱいのうすはりグラスで喉を鳴らしながら飲むと美味い。 茶道のお稽古では、まず掛け軸を拝見する。初心者の僕にはもちろん読めないので、掛け軸の前で唸っていると先生が「この掛け軸の意味は〜」と教えてくださる。 入水見長人 (みずにいりてちょうじんをみる) その掛け軸は、人は困難に陥ったときにはじめて人間性が試される、といった意味の

          ジャパニーズコーヒーを志向する日々

          約6年ぶりのカウンター (後編)

          「約6年ぶりのカウンター」の後編は、KOFFEE MAMEYA KAKERUとのコラボイベントで提供した、WBCを再構築したコースの説明をしたいと思う。前編は6年ぶりにカウンターに戻った理由について。 実はイベント後、インスタグラムでコースの内容を解説したところ、世界中から熱狂的な反応があった。コーヒー体験の新たな扉を開けつつある実感を得た瞬間だった。バリスタという職業を信じ続ける延長線上に、コーヒーの新たな付加価値の創造は存在するかもしれない。 コースのテーマは「WBC

          約6年ぶりのカウンター (後編)

          約6年ぶりのカウンター(前編)

          梅雨だ。雨の滴る音を聞きながら、冷房の効いた室内で飲むホットコーヒーが間違いない季節。KOFFEE MAMEYA KAKERUの三木さんから、コラボレーションのお誘いを頂き、昨日無事にイベントを終えたのでコース内容を含めて振り返りたい。 なぜこのタイミングでカウンターに戻る決意をしたのか、まずはこの前編でお話しさせて頂く。後編でコースの詳しい内容を説明するので、興味のない人は読み飛ばしてもらって構わない。瞬殺で予約完売したらしく、告知が不十分だと多方面からお叱りを受けている

          約6年ぶりのカウンター(前編)

          コロナ禍におけるコーヒーマーケットの動向と考察

          コロナ以前は蒸し暑い東南アジアから北米に飛んだりと季節感のない生活を送っていたので、この1年は季節の移り変わりを肌で感じる日々が続いてる。特に梅雨の季節は海外出張が激しめだったので、いつの間にか梅雨が終わっているのが常だった。雨の滴る朝イチで飲む、深煎りのネルドリップがウマいんだなーと気付く。 コロナ禍で私の生活とビジネス環境も激変したように、コーヒー業界の動きも激変している。グローバルマーケットに目を向けると、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う外出制限により、2019-2

          コロナ禍におけるコーヒーマーケットの動向と考察

          【5月分】ヤバいデカフェ売ります

          自分の満足いくデカフェがないなら、極上のパナマ・ゲイシャの超希少ロットをデカフェにしたらどうなるだろうーー全てはそんな大人の悪ふざけから始まったこの企画、その経緯はこちらのnoteよりご覧頂きたい。 そして今回もやろうと思う。この「デカフェにしてはいけないシリーズ」をシリーズ化して、世界でいちばんクレイジーなデカフェが揃っている会社にしようじゃないか。 ということで、デカフェにしてはいけない特別ロットシリーズ第二弾は「エチオピア・グジ・ウラガ・カーボニックマサレーション・

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