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エッセイ・日記

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すべて拾い上げる必要はないということ

今日の気付き、すべて拾い上げる必要はないということ。

ここのところ、絵に対するやる気がひとしおで、とても嬉しい。人、出会い、意思、光景、さまざまな要因から、たくさんの刺激をうけています。自分を、生活を、未来を、他者を、世界を、信頼(≒期待)してよいのだと、安心している。変化をもたらした学びを言葉で表すと、単純に、傷つくことを恐れないこと。
ただ、絵に邁進せんとすると思う気持ちと表裏一体に存するの

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melanfollia

日照時間が短くなった。風が冷たくなった。空気が緊張感をはらむようになった。以前よりも品のある自然の所作に心を奪われ、秋の陰りの気配を知った。
今日すれ違う澄んだ風は、堅牢な身体を空孔から吹き抜け、太陽の光線も届かないような、胸の奥底に張り詰めた琴線を振動させる。

四季のうちで秋は2番目に好き。1番に好きなのは冬。クリスマス、お正月、誕生日、豊満な催しを背負い込み、頼りなくたわむ枯れ枝の姿が浮かぶ

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唾を吐いても一人

自戒を込めて。自分の文章を読んだからなのでしょうか。きっかけは定かではありませんが、作品のなかに滲み出る作者の自我は白々しい、先日ふとそんな考えが頭をよぎりました。

どんな媒体でも共通するのですが、よりよく見てほしい、よりよく評価されたい、そうした虚栄心に依る情報が作品のなかに混在すると、作品そのものに不要な緩急が生じてしまい、結果的に作中世界に非合理性や澱みをもたらすことになり得ます。
自分の

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小宇宙逍遥

最近は近所の古本屋で新書を漁ることが楽しい。汗牛充棟な本の山から、105×175のあの平べったい造形を探り当てる。そうして巡り合った1冊が『シュルレアリスム 終わりなき革命』(酒井健著、中央公論社、2011年)だった。
近頃は西洋美術史、なかんずく19世紀末から20世紀における美術史への関心が昂じており、関連書籍に挑戦しています。そういうわけで、もれなくこちらの図書も私の大切なブックシェルフへと収

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2024年6月制作まとめ

2024年6月制作まとめ

表題のとおり、2024年6月までの主な制作物と包括的な所感まとめ。記録用に。
いつか、記録は個人の歩みを裏付けて人生における浮標の役割を果たす、とか、生の記録はその時にしかないから逃しては惜しい、とか、そんなふうなことをあれこれ考えていたが、その理念は依然心に健在である。数年前から鑑賞・読書記録を習慣付けている理由もそこに依る。
とはいえ、創作に関する所感をまとめるのは初めて、今期は特別な時期だっ

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背中に生えた羽根について考える

背中に生えた羽根について考える

スピッツの「僕の天使マリ」、その曲中のワンフレーズについて、数年前からながいこと考えている。

私は、こちらに背中を向けたマリが肩甲骨を見せている情景を想像していた。
時刻は午後の23時ごろで、消灯した薄暗い部屋に差し込む街灯の明かりが、マリの背中の輪郭をなぞる。

マリは、背中に天使の証が刻まれているらしい。
私にとって、肩甲骨は翼。ふたつの逆三角形を搭載した胴体は、腰にかけてなだらかに狭まって

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forget me not

みなさん初めまして。うるう年生まれのラッキーガールです。よろしくお願いします。
(大)昔、もし自分がアイドルになったらどんなキャッチフレーズを使おうか。ぼんやり考えながら考案した口上です。
文言の如く、私の誕生日は2月29日です。今年の2月のカレンダーには29日の枠がありますね。
時宜に適った折に、閏日に生まれた人間の所感を一本したためようと思います。

自分の誕生日を公表して真っ先に投げられるの

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春眠暁を覚えず

この頃、早咲きの桜の枝にまばらな花びらが帯びているところを見かけました。まだまだ満開とは言えませんが、間近に迫る春の訪れを実感します。
そういえば、ついこの間は啓蟄。小さな虫たちが胎動を始める時期ですね。

そんな揺籃の季節に、私といえば先日誕生日を迎えました。
過ぎ去った誕生日の回数をようやく両手で数えられるようになりました。大人になったものです。
お祝いの言葉やプレゼントをいただいて、心はとて

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タイムカプセル

タイムカプセル

今日インスタを開いたら、思い出のストーリー機能で私が4年前に描いたらしきイラストが表示されました。

わあん、目も当てられない。本当に上手くなくてびっくり。

せっかくなので、先ほど同じ画像を見ながら描いてみました。

楽しかったです。ツウィはずっと可愛い。
絵のクオリティは大分改善されたと思います。

いや、私は良くなったと思うけど、客観的に見たら五十歩百歩なのかもしれません。よくわからないです

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猫になりたい

猫になりたい

表題、1994年リリースのシングル「青い車」に収録された一曲のタイトルです。

私はスピッツが大好きです。
スピッツというか、スピッツの曲が大好き。
ライブに行ったことはありませんし、草野マサムネの名前しか知りません。
それでも大好き。

悲しくなったらスピッツを聞いて、余計に切なくなって、そうやってデトックスしてきました。
私の生きた世紀のなかの1000分の1くらいの責任を負ってもらっています。

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