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『ソロモンの偽証: 第Ⅱ部 上・下巻 』(著:宮部みゆき)〜緻密なストーリー展開の虜に|広げた伏線がどんどん回収されながら新展開に!〜
おもしろすぎて耳読がとまりません! Audibleでは、第2部も第1部と同じく上・下2冊なのですが、一気に耳読してしまいました。 全6冊のうち、これで4冊の読了となりますが、めちゃくちゃ完成度が高い。 普通は、なんといってもフィクションなので、ところどころ現実離れした小説っぽいところ、常識的ではないストーリー展開があると思うのですが、本書にはそれがないです。 ちらっと「いや、それはないでしょ」という想いが頭をよぎっても、後でちゃんとフォローされます。 あるいは、現実
『ソロモンの偽証: 第I部 下巻 』(著:宮部みゆき)~ダーク思考が加速していく!人間の暗い感情を煮詰めるとここまで残酷になるのかもしれない…~
いや〜、怖い! 鬱積した暗い感情が溜まりにたまって爆発(暴発?)した感じです。 上巻よりも登場人物たちのダーク思考が加速してる。 中学校が主な舞台ですが、ルサンチマンを吐き出すのは中学生だけじゃない。 大人だって吐き出します。 現実世界ではなかなか起こり得ないことだけれど、でもなんだかそれは紙一重なような気もする。 自分が中学生の時代、ここまで鬱屈した感情なんて持ってなかったと思うけど、解像度を上げていくと、ところどころで本書のような暗い感情を持っていたはず。
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『2040年の日本』(著:野口悠紀雄)~客観的に見て日本の未来は暗い。できることは限られているが本書を読んでから未来を選択して欲しい。~
かなりショッキングな内容です。 日本が数十年後には先進国からの脱落はおろか、世界の二流、三流国になるかもしれない、という。 その根拠が悲観論に基づいたものでないことも辛い… 楽観論と悲観論との間の、ここ数十年の実績から客観的に予測しているんですね。 たとえば、日本の今後の経済成長率はせいぜい1%〜2%です。 実績から考えれば1%が妥当なところ。 もしその成長率を前提に2060年のGDPを中国と比較してみるとなんと10倍もの差になります。 で、こうした状況を挽回で
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』(著:山口周)〜これからの時代は企業も個人も「感性」を加えた判断が求められます〜
いや正直、「世界のエリートはなぜ身だしなみに気を使うのか?」みたいなオシャレに関する話だと思ってました。 タイトルに『美意識を鍛える』ってあるだけに、そりゃオシャレの話だろと。 ところが、全然そんな内容ではなくて、論理とか理性を超えた「感性」についての話で、『美意識を鍛える』というのは「感性」を鍛えるってことでした。 まぁこれがめちゃくちゃおもしろい話です。 山口さんの著書ってビジネスに関する話なのに、哲学とか美術とか、とんでもない角度から話が飛んでくるんですよね。
『22世紀の民主主義』(著:成田悠輔)〜本当にAIが政策決定する未来は来るのか?政策判断の基準すらAIに委ねることになっていくのか?〜
2,000を超えるレビューに4.3の評価。 かなりの高評価を得ている本書。 中学生の息子が買ってきたは良いけど全く読もうとしてないのをいいことに私が読むことに笑 内容について考えたところをシェアしていきます。 トランプ前大統領時代の議会襲撃事件とか、ブラジルでも同じようなことが起こってたりとか、アメリカや欧州でのコロナの押さえ込みの失敗とか… まぁ、たしかに今の民主主義に懸念を抱いている人は多いかと思います。 一方で、中国だってゼロコロナ政策の失敗とか、ロシアのウ