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『2040年の日本』(著:野口悠紀雄)~客観的に見て日本の未来は暗い。できることは限られているが本書を読んでから未来を選択して欲しい。~

かなりショッキングな内容です。

日本が数十年後には先進国からの脱落はおろか、世界の二流、三流国になるかもしれない、という。

その根拠が悲観論に基づいたものでないことも辛い…

楽観論と悲観論との間の、ここ数十年の実績から客観的に予測しているんですね。

たとえば、日本の今後の経済成長率はせいぜい1%〜2%です。

実績から考えれば1%が妥当なところ。

もしその成長率を前提に2060年のGDPを中国と比較してみるとなんと10倍もの差になります。

で、こうした状況を挽回できる明るい見通しがあるかというとほぼないです。

世界の大学ランキングでも100位に入れるのは東大、京大、東工大くらいで、アメリカはおろか、中国にも及ばなくなっています。

高齢化社会も世界中の先陣をきって進んでいきます。

医療や介護の労働力だけで全体の数十%を占めるようになりますが、著者曰く、医療や介護というのはマイナスをプラスに持っていくだけなので、これらの産業で経済を牽引するのはむずかしいだろうと。

現在、日本では防衛費にどこまで投じるかという問題がありますが、この問題も、仮に中国とのGDPの差が10倍に開くとなると、日本の対GDP比で防衛費1%とすると、中国の対GDP比なら僅か0.1%にすぎません。

対GDP比で1%か2%で議論してる場合じゃないのです。

日本の政治は半世紀先を見すえた政策判断しているのかと疑ってしまいます。

このままだとこうした未来は確実にやってくるでしょうが、政治にも多くは期待できそうにない中で、個人でできることは限られています。

やれることからしか手はつけられませんが、現状を知って選択していくことは必要なんだろうなと。

そういう意味で多くの人に本書を読んでもらいたいです。


Kindleなら紙の本より100円ほどお得です。


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