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『運転者』(著:喜多川泰)〜運気をつかむことができるかはあなたしだい。そのために最低限必要なマインドセットが学べる〜

フォロワーさんの紹介で耳読。

著者の喜多川泰さんは、小説をベースに数々の自己啓発書を書かれている方です。

著書累計で100万部を超えるのだとか。

たしかに、本書もレビュー9,000超えで、評価4.5というバケモノみたいなインパクトです。


さて、そんな本書のあらすじは、

保険の営業の仕事も夫婦関係や子育てもうまくいかない修一。
人生をあきらめかけた主人公の前に現れたのが幸運をつかむ場所へと導くタクシーだった。すべてお見通しの運転手に導かれるまま歩みを進めていくと、徐々に修一の人生が好転していく…。

と、こんな感じです。


人は誰でも、人生がうまくいかないときは、ついつい「なんで自分ばっかり…」とか、「どうせ自分なんて…」とか、そんな投げやりな言葉を吐き出してしまいます。

でも、本書を読めば改めて気がつくのですが、やっぱりそれは自分自身に原因があります。

負の感情をまき散らしている人の周りには負の出来事ばかりが吸い寄せられるのです。

もちろん、笑ってさえいれば運気が良くなって、勝手に良いことばかりが起きるのかというと、コトはそう単純ではないですが…。

楽しい気持ちを発している人のところにはチャンスが巡ってきやすくはなりますが、それを感じてつかむことが必要なので、自動的に人生がうまく転がり始めるわけではないのです。

とはいえ、負の感情をまき散らしている人のところへは運気も行きたくないでしょう。

結果はどうなるかわかりませんが、楽しく笑顔で過ごすことが最低限必要なのです。


「努力は報われるか」という修一の問いに対して、タクシーの運転手は、ある意味では残酷であり、ある意味では希望であるような回答をします。

ネタバレしない範囲で言うと、たとえば、圧倒的な兵力の前に、弾もつき、食糧もつきた兵士の行いが報われるのかというと、現実問題それはなかなかむずかしい。

これに対する運転手の回答が、残酷でも希望でもあるような回答です。

ひょっとすると、自分の幸せだけを考えている人にとっては残酷であり、自分以外の家族も含めたもっと広い範囲の幸せを想像できる人にとっては希望なのかもしれません。


内容的にはこれまでもくり返されてきたものと重なりますが、ストーリーがおもしろいですし、改めて、くり返し言われてきたことが全然できていないことを思い知るかもしれません。

でもそれはそれで意味のあることだと思います。

これだけの高評価を得ているとおり、読みものとしてもおもしろいので、一読の価値はありますよ。


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