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八朔書房

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自分の趣味、専門分野、ついさっき考えたことなど、 八朔会の皆さんが寄稿してくださった記事を雑誌のようにまとめています。
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#エッセイ

自由律俳句5

リズム良く生垣刈り揃える音ひびく 薬味中心の食生活である夏 それは祇園ではない ミネラル…

よしのき
2年前
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自由律俳句(と散文)3

夕涼みに木魚が響いた 兵児帯の金魚が夜店を泳ぎゆく 月極ガレージの中で咲く花よ 川の中に…

よしのき
2年前
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自由律俳句(と散文)2

さるかに合戦のうすみたいな存在 ここにもさざれ石の由来の岩 サーキュレーターにきな粉がや…

よしのき
2年前
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うららかすぎて鳩になる

春、空気がとてものんびりしている。 ここ最近、ふとした時に俳句の歳時記をめくっては、何と…

よしのき
2年前
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違う傘で帰ってきた

買い物を終え外に出ようとして、はたと手が止まった。自動ドアの横に置かれた傘立てには、大小…

よしのき
2年前
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梅崎春生「オリンピックより魚の誘致」『怠惰の美徳』:感想―「つまりは日本近海を魚…

戦後派を代表する文人、梅崎春生のエッセイ『怠惰の美徳』が面白い。 どこが面白いかというと…

izumi
3年前
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三輪車とマラッカの夕日 - 3

ジョンカーストリートの熱に浮かされた夜が明け、僕は朝からマラッカの町を散策していた。どこへ行くでもなく町をぶらつき、適当に入った土産物店でポストカードを買う。昼には名物のニョニャラクサを食べた。思っていたよりも辛くて汗をかいた。歩き疲れたらゲストハウスに戻って、本を読みながらのんびりと過ごす。しばらくしてまたブラブラと町を歩く。僕はすっかりこの町を気に入っていた。 ただこの居心地の良いマラッカにも一つだけ、どうしても好きになれない物があった。 僕は旅先で出会うローカルな乗

三輪車とマラッカの夕日 - 2

オレンジ色の町。 マラッカの第一印象を尋ねられたら僕は真っ先にこう答える。 ゲストハウス…

よしのき
3年前
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三輪車とマラッカの夕日 - 1

深夜に日本を発った飛行機は、翌朝静かにクアラルンプール国際空港の滑走路へと降り立った。20…

よしのき
3年前
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旅行記のまえがき

18歳の頃。僕は典型的な「やりたいことが見つからない若者」だった。心からこれが好きだ、と言…

よしのき
3年前
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