ベルクソン『時間と自由』(岩波文庫) ノーベル文学賞を受賞している、フランスの哲学者、アンリ・ベルクソンの「純粋持続」は、文芸作家たちが掘り当てる「文脈」の別名ではないのか? そんな偏見を持って、この書物を読み直そうと思います。
ベルクソン用語を整頓します。 球体の球面が「純粋記憶」、球体の中心が「現在」、球面の一部と中心をつなぐ円錐が「記憶の円錐」、中心を通る垂線が「純粋持続」です。そして、球面と垂線のあいだにドーナツ状の「記憶イマージュ」がある。