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【9月30日追記あり】東京創元社2024年復刊フェア・全作品紹介[2024年9月下旬開催]

『この町の誰かが』読了。ウォー史上最悪の苦さかも…と思っていたら晩年の作でした。ケイの後にまだこれが書けるとは…恐るべし。ウォーが凄いのは単発事件が多いことで、後発事件から追加の手掛りが得られない。だから捜査は正しく停滞し、理詰め/偶然で解決する。これでおもしろいんだから凄い!

ウォー『待ちうける影』序盤で脱落しました。この手のイヤさを文章力・構成力の卓越した人につぶさに書かれるとキツイです……。ウォーの既訳本完全読破を目指していましたが、想定外かつ早々の挫折。残念。サイモン・ケイシリーズだって読んできた私なのに。

ウォー『失踪者』読了。相変わらず仕立てがえげつなくて見事。本書は堺市の図書館には無くて大阪市から借りて読むことができましたが、ずいぶん傷んだものを丁寧に補修して貸し出してくれる有難さよ。文庫化再出版の予定は無いのかしら。改訳なしの出し直し、で。

ウォー『愚か者の祈り』読了。シリーズは違えど相変わらずの、〈五里霧中の捜査を歯噛みしながらひたすら淡々と続ける警察小説〉なのに、震えるほどおもしろい。訳も素敵で、セリフ内改行の【」】なし【「】あり方式も私好み。終盤どどっと人物が増えて、少々混乱しました……。

ウォー「実際の刑事たち」読了。ミニエッセイ?的な小論ですが、警察を密着取材していての、〈実際の刑事は物の見方が違う。それは作家には真似も想像もできない見方だ〉との気付きを説明する観察力・文章力がやはり〈作家〉のもので、実に面白かった。何とも、知的というかクレバーな人やなあ、と。

ウォー『冷えきった週末』読了。たった一つの事実から、硬直した謎が一気に瓦解する展開に唸る。ワイルド『悪党ども~』『検視審問』を読んだときにも思ったけれど、中学時代に出合っていれば、原書読みたさにもうちょっとマジメに英語を勉強していたかもしれん。明らかに出合うのが遅すぎた……。

失踪当時の服装は/ヒラリー・ウォー

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事件当夜は雨/ヒラリー・ウォー

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日曜日の本棚#26『この町の誰かが』ヒラリー・ウォー(創元推理文庫)【皮膚感覚でアメリカ社会を学ぶ】

1年前

『生まれながらの犠牲者』ヒラリー・ウォー4冊目を読了。フェローズ署長もの。このシリーズ、後味が良いとは限らず、終盤までひたすらわからんわからん言ってる警察小説なのに、なんっでこんなに面白いんだ! ああ、全作読んでしまいたい、でも読み切ってしまうのは惜しい。ああああああ……。