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摂食障害の長い長いトンネルを抜けて~元摂食障害当事者からのメッセージ~㊱
「いつも、どんなに過食嘔吐が遅くなって寝不足でも、絶対に会社は休んではいけない・・・って思っていたけど、私だってギリギリで頑張ってるんだから、たまには休んだっていいよね?」
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会社を休むことを、私は自分自身に許すことが出来た。
「初めてかなぁ・・・朝電話して、会社休んだの。あぁ、でもこうやって、一つづつでも、私が、私のことを許してあげることが出来たら、ほんの少しでも気が楽になっていくのかな」
先生の言う、(自分で自分を満たしてあげて、自分を大切にしてあげてください)って、こういうことの積み重ねなのかもしれなかった。でも、まだまだ(食べてもいい)とか(痩せなくてもいい)っていう訳にはいかなかった。
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痩せたい気持ちが変わった訳ではないけど、最近は、何で私はそこまで(痩せること)に拘って、必死になってるんだろう・・・って、どこまでも追い求めている理由が曖昧な感じがして、自分のことなのに、見えない何かに操られているんじゃないか、とさえ思うことがあった。
・・・私は、(摂食障害)という、自分の意志では自分をコントロール出来ない(病気)になってしまった。そして、食べたい猛獣が襲って来たら、いつでも勝つことは出来なくて、抑え切れない食欲には勝てなくて過食してしまう。それなのに、操り人形のように見えない何かに操られて、ただただ痩せたい気持ちに囚われて、吐いてしまう。もう、そんなことは繰り返したくない、って思ってるはずなのに、それでもどこかで(食べても太らない)ことに安心して、眠りにつく。これでやっと私の(今日)という苦しい一日が終わる・・・
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「今日、これから何しよう・・・何もすることがないと、朝から買い物して、過食してしまいそう・・・」
平日に、急にぽっかり穴が開いたように時間が出来ても、何をしたらいいのかわからなかった。久しぶりに会いたい友達もいるけど、平日に急には多分無理だし、そもそも最近は、人と会うと必ずご飯とかになることが嫌で、会うこと自体を避けていたので、自分から誰かを誘うのも気が引けた。
「朝ごはんだけは何とか食べて、さっさと支度して、とにかく家を出よう」
平日なのに、丸一日家にいることだけは避けたかった。どこに行くあてもなかったけど、電車に乗って、どこか遠くへ行ってみよう・・・
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