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【23.02.12. 135分間走】夏暁のぽんぽんぺいん地獄!涙のFamilyMart完走編

日曜日(2月12日)に135分ほどランニングしてきました。この土日月は本当に2月とは思えない暑さで、昼間は17℃まであがりました。下手すればジャンパー無しでも寒くないどころか、桜が勘違いして咲いてもおかしくないほどの陽気でした。何といいますか、日付と季節感とのズレが激しかったですね。

さて、駄作俳句が何一つ思いつかなったので去年の思い出話をしましょう。冬とは違って夏場は朝4時半に起きて5時~7時の間に早朝ランニングするのを自分は習慣にしています。車一台走っていない道路や信号が点滅する街の中を自分一人が走っている非日常感が面白く、またアスファルトが1日の中で一番冷えている涼しい時間帯だからです。

いつも通り、朝ご飯代わりのアイスコーヒーを飲んで出発してから30分ほどして最寄り駅を過ぎたあたりからおなかの機嫌が急に悪くなってきました。いつもはこんなことにはならないのになぁと思いながら走っていましたが、1秒ごとにおなかの痛みは倍増していきました。そしてついには、冗談抜きで一歩進むだけでも美爽煌茶しそうなレベルになってしまいました。

間が悪かったのがその立ち止まった場所です。そこは駅とFamilyMartからそれぞれ300mほど離れたほぼ中間の地点だったんです。しかし人間、窮地に追い込まれるとどんなに薄い希望であろうとも一番楽な道へと逃げてしまうものです。

🤔.。oO( いや待てよ…… 50mほど行けばスーパーがある!こんな時間帯でも、なぜか車も人も入れるようになってるのは毎週走ってて知ってるし、もしかしたら店の外にあるトイレ🚻ってワンチャン開いているのでは?ヨシ!!

ざっくりの位置関係

冷静になって考えれば、こんなことあり得ないなんてすぐに分かるものです。こういうまともな思考ができないことが、更なる地獄の釜の底へと自分をいざないました。大量に蚊が飛び交うひっつきむしの草むらを横目に見ながら芋虫の行進をすること数分。暗闇の大海原を彷徨うボロ船に希望の灯台、スーパーのトイレが歩道から30m奥に見えました。

😫.。oO( ……やった!…… やったぞ!

たかが30mと思うかもしれません。しかしこの時は公園の鉄棒の上を渡っているような感覚で、これほど遠くに思えたことはありませんでした。これを死ぬ気で渡り切り、おそるおそるトイレの引き戸を引いてみると、当たり前ながらカギがかかっていました。「ガン!!」と淡い希望を打ち砕く音を聞いた瞬間、またもや美爽煌茶しそうになりました。

結果的に歩道から30m余計に離れただけになり、状況は最悪でした。いつ爆発してもおかしくない爆弾を抱えながら、ここから駅に引き返すかFamilyMartに進むかの二者択一に迫られました。地元民ではあるもののほとんど利用したことのない田舎の小さな駅にトイレがあるかどうかのギャンブルをするのは流石にリスクが大きすぎるでしょう。決めました…… 遥か彼方に煌々と輝くFamilyMartへの道を行こう、と。一度は決心したものの、余りに道中が辛すぎて、何度も悪魔の囁きが聞こえてきました。

👿.。oO( ヒッヒッヒ…… 誰も歩いてねェんだから、諦めていっそそこの街路樹の繁みにでもして楽になれよ……

そのたびに、なけなしの理性で自分を叱りつけました。

😠.。oO( ドアホ!その後どないするつもりや!人として大切なナニカまで置いてくることになるわ!!

そんな阿鼻叫喚の暗夜行路の最中、突然刺客が飛び込んできました。歩道沿いにお住まいの爺さんがいきなり御宅からひょいと顔を出されて、大声で「おはようございます!」と挨拶をくださったのです。

😖.。oO( す、すみません…… 今はそれどころやないんです…… 下手したら世界が終わるんす……

身体を「く」の字に折り曲げ、くねくねとくねらせながらわずかにお辞儀を返すのが精いっぱいでした。こんなイレギュラーは計算外で、おなかがびっくりして今までで最大級に美爽煌茶しそうになりました。今思えば、ここで耐えた自分を一生褒めてあげてもいいくらいです。不意討ちで斬り殺される武士の気持ちって、たぶんこういう感じなのでしょう。

思うに、これはMintJamの「贖罪」の歌詞のようではありませんか。腹痛ぽんぽんぺいんという名の贖罪を背負い、果てなきこの道を行くあいだに一体どれほどの時間が過ぎたのでしょう?全身の血の気は失せ、走ってもいないのに脂汗は止めどなく流れ落ち…… 気がつけばもう夜は明けていました。真横から朝陽を受けた自分の影が細長く伸び、それはいつしか駐車場をまたいで床が黄金色に輝くFamilyMartの店内へと続いていたのです。

そうです、幾多の美爽煌茶の危機を乗り越えての奇跡の生還、FamilyMartへの修羅の道を完走したのです。この悪夢を何も知らない、そして知る必要もないバイト店員さんの挨拶は全くと言っていいほど耳に入りませんでした。個室トイレに入ると極度の緊張から解放され、押し寄せてくる安堵感と情けなさが涙となって頬を伝いました。

ありがとう、あなたと、コンビに、FamilyMart。
貴店がこの場所になかったら、自分は人としての形を保てなくなっていたかもしれません。この御恩は飲み物を買ってお返しいたします。

ありがとう、午前5時の世界。
そして遅ればせながらおはようございます、名も知らぬ爺さん。

たとえ賞味期限が切れていなくても「おなかがゴロゴロしない」と謳っている牛乳は手放しで信じてはいけない…… そう学んだ暑い暑い夏の朝でございました。

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