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ケアマネジャーが不足してきた現状

ありがたいことにこのコラムは、介護業界以外の方も読まれることがあるため、今回のテーマであるケアマネジャーについて少し説明をさせていただきます。

もともと介護保険が始まった際に、介護給付はサービスの現物給付になりますので、要介護度に応じて利用できるサービスの上限額が定まってしまうことから、その限度額の枠内で果たして日常生活の継続に必要なケアを十分に活用できるかどうか、その計画作成を代行するプロフェッショナルな存在としてケアマネジャー(介護支援専門員)が生まれました。

誤解を恐れずに申し上げますと、十分なケアを受けられるだけの計画が作成できればいいわけですから、絶対にケアマネジャーが介入しないといけないというわけでもなく、現にケアマネジャー不足の昨今では自治体によってはお客様ご自身によるセルフプランを推奨しているところなんかも出てきているようです。

ただ、やはり複数にまたがるサービスを活用するにはややこしすぎる制度のため、プロの視点が入った方がいいとは思っています。セルフプランもできてしまうくらいですから、介護保険サービスにおいてはケアマネジャーの利用に際しての金銭的なお客様負担がないという特殊な状況であるのも、せっかくですから利用しておいた方がいい理由になるのではないでしょうか。

ところが、前述しましたように昨今ケアマネジャーが不足しつつある実態があります。

あくまでも個人の見解ですので誤解のないように申し上げますと、ケアマネ不足になった要因のひとつとしては「主任ケアマネ」の存在があるかと思っています。

通常のケアマネジャーの上位職という位置づけで研修受講修了した人が得られる資格となりますが、研修の受講要件としましてはケアマネの実務経験を5年以上、もしくは認定ケアマネという資格を取得して3年以上の実務経験が必要となります。

また、資格要件を満たしたとしても有効期間は5年間しかないため、更新研修の受講が必要となります。

更新研修にかかる費用については、会社が負担してくれるところも多いかと思いますが、長い期間に渡り多くの日数をとられることからも、少なくとも私の知る限り、関係者にはとても面倒くさがられています。

なので、弊社においても「もう主任ケアマネの更新研修は受けたくない」という意思表明をするスタッフなんかも出てきております。

ようは、「もう主任ケアマネはこりごりです」という宣言ですよね。

そして、一番の問題なのは、この主任ケアマネの代わりのメンバーが見つからないと、事業所の運営維持ができなくなるということ。

主任ケアマネの存在ができた時に、猶予期間はあったものの、事業運営には「主任ケアマネを責任者とすること」が前提条件となりました。

ここが守れない事業所は廃止するしかなくなるということです。

常日頃から複数の主任ケアマネを擁しているような大規模拠点ならまだしも、たったひとりの主任ケアマネで事業をしているような介護事業者は、採用で代替メンバーを補えなければ必然的に事業はストップします。

やらないといけないことを増やされて、事業を維持するためのハードルも高められた結果どうなったかというと、肌感覚ではありますが、事業廃止するところが増えた気がします。

また、個人事業主であったいわゆる「ひとりケアマネ」さんは、自分の事務所を畳んで複数名が所属する他社のケアマネ事業所に合流するといった流れも出てきているようです。

次回は、その辺りについて触れていきたいと思います。

今日も読んでくださいまして、ありがとうございます。

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