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精進料理を食べると

皆さんこんにちは
今回は吉田が担当致します。

「精進料理」は食べた事がありますか?


「精進料理」とは肉や魚を使わずに野菜や果物や海草などを用いて造られた料理です。
普段は私達僧侶もお肉は頂きますが修行をしている期間はお肉や魚を食べることが出来ません。


◎「精進料理を食べる理由」

これは仏教における戒律に基づいて、「殺生(生き物を殺すこと)」を避け、「煩悩(人を苦しめ、煩わせる心)」を刺激しないためと言われています。


ある年の秋の彼岸中に自らの修行として六波羅蜜(仏教に説かれる修行法の1つ)の「忍辱」(我慢する事)を実践しようと思い
【彼岸の1週間お肉を食べない】というルールを自分に課しました。

〈自分ルール〉

  1. 肉、魚を食べない

  2. 卵なども禁止

  3. 肉魚などのエキスも禁止


日蓮宗の僧侶となる為の修行「信行道場」でも35日間、肉食をしません。
私自身、この期間もお肉を食べないという事について、特に苦しいという感覚はありませんでした。
その理由は、周りの皆はもちろん肉食をしませんし、
そもそも周りにお肉や魚が無ければ「肉食したい!」という感覚が湧いてきませんでした。


しかし、今回は違います。修行の期間とは異なり皆がお肉を当たり前の様に食べ、当たり前にどこにでも販売している。お肉が当たり前の世界です。


実際に体験してみて本当に辛いと思う事が多々ありました。
スーパーや飲食店にいけばいくらでも肉や魚はあります。
お惣菜コーナーにいけばどれにも卵や肉魚のエキスが入っていたりと
どこもかしこも肉魚ばかり、、、
購入する事は諦め、自らで料理をする方法しかありません。
食事をすれば家族や友人はもちろん美味しそうにお肉を食べます。
実際に行った1週間を通して感じた事
それは「この世界は命で溢れている」という事です。


どこに行ってもお肉ばかり、人間はこの「お肉」を食べる為に牛、豚、鳥などを畜産し美味しくなる様に遺伝子を組み替え、少しでも安く沢山食べられる様にとスーパーやお肉屋さんや魚屋さんに並び、それらを購入し私達は初めてお肉を頂いている。

「命を頂く」という事はどれだけ有難いことなのか。


私は言葉の意味は理解していたつもりでしたが、こんなにも心の底から感じたことはありませんでした。そして理解しているつもりになっていた自分を反省しました。


「自分は理解している」と思っている事も「実は理解できていなかった」という事があると思います。
その事に気づくだけでも
人生が更に豊かになる気づきとなります。「気づく」とは「悟る」ということです。


彼岸に限らず、肉食禁止に限らず
まずは自分が出来そうだけど、出来なさそうな事、普段からやってみたいと思っている事でも何でも構いません。
達成できなかった、分からなかったそれでも構いません。出来なかったという事に気づくだけでも十分な成長です。


本当の意味で気づけていなかったそんな私に、少しの気づきと学びを
与えてくれたのが「精進料理」でした。

心を込めて「いただきます」


私が1週間よく食べていた
「おすすめの精進料理カレー」を別の記事にて紹介しています。
料理評論家の方によると「精進料理」はダイエットに効果絶大とか!!

興味のある方はぜひ挑戦してみてください!


宮崎県  吉田憲史

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