電卓で学ぶ『アルマゲスト』 ~太陽の軌道篇~
序. 本稿では,紀元後二世紀,エジプトのアレクサンドリアの天文学者プトレマイオスが書いた『アルマゲスト』第3巻における太陽の軌道計算を題材にし,理論の説明だけではなく,電卓を用いて計算することで, 古代天文学のテクニカルな議論を知っていただこうと思います.はじめに計算の前提となる天文学の知識を確認しておきましょう.
1.星と暦 我々は普段,365日と4年に一度の閏日の挿入により1年を把握していますが,古代ギリシャ人はどのような暦を使っていたのでしょうか?古代ギリシャでは月の