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小説と詩を嗜んでみた。

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駄文ですが、お暇な時に。
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2023年10月の記事一覧

心霊スポット。

心霊スポット。

だいぶ昔の話。
悪友3人とわたし。
深夜に心霊スポットに行く話になった。
車で1時間ほどの某心霊スポット。

わたしも心霊体験などしていない頃だったから、怖がることも無く現地へと。

その場所は山道を回って駐車場に戻ってこれる様になっていた。
深夜の山道ツアーだ。
合計男4人。

しかし、わたしには弱点があった。
夜中の山道。灯りは一切ない。ノリで来ているが故に照明など持ってきてない。

つまり、

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親切な暗殺。

親切な暗殺。

スナイパーとして、オレは腕を磨いてきた。
何度も訓練に訓練を重ねた。
動く標的を狙う。
これはなかなか至難の業。
着地の瞬間を射抜くしかない。
動きを見極めるんだ。
ヤツはかなりの手練。
臆病者で察しがいい。
少しの殺気でも気取られてしまう。

気配も殺気も殺すんだ。
無。
無になれ。
ヤツをぶち抜くことだけを考えろ。
必ずヤツは現れる。
動きを読め。ヤツの気配を捉えるんだ。

ーー来た。

さす

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白い服の女。

白い服の女。

だいぶ前の話で、わたしが夜勤をやって頃。
夜勤明けでほとんど寝ないで帰ってきたんだけど。
髪が伸び放題で今日こそ髪を切らなアカンと思ってて。

夜勤明けだから、朝10時くらいだったかな。
ちょっと床屋さんも開いてて、うちのマンション出ると正面が国道でちょっと左に横断歩道。
道路渡ると床屋さんで、凄く近いから行くのに苦ではなかったんだわ。

帰ってきてすぐ、家には寄らずにそのまま床屋に行こうとマンシ

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珈琲とあなたとわたしの関係性。

珈琲とあなたとわたしの関係性。

あなたは甘い珈琲。
わたしは基本ブラック。

甘い珈琲しか飲めないあなた。
苦い珈琲が好みなわたし。
時折、甘い珈琲が欲しくなるわたし。

常に甘い言葉で満たされたい欲しい、あなた。
基本的にスッキリとしていたい、わたし。
時折、甘い雰囲気があればいい、わたし。

そこの温度差があなたを不機嫌にする。

上手に嘘がつけないわたしは、ブラックで珈琲を注文してしまうのだ。

『甘い珈琲飲みたかった?』

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忍者Loveletter。

忍者Loveletter。

放課後。
校舎の物陰からひたすらに視線を送る。視線は熱を帯びてサッカーをしているとある男子へと刺さる。

ーー誰かが見てる気がするってわかるはず!視線ってそういうものだもの!

パシッ。
「いたっ」
不意に頭を叩かれ振り向くと友達のメグミが居た。
「気付かれて振り向かれても、あんた隠れて逃げるでしょ?」
と、図星を容赦なくぶつけてくる親友は続けてこう言った。
「Loveletter書いてみたら?」

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風が吹く。【詩】

風が吹く。【詩】

快晴の中、風が吹く

強く、速く

もやもやとした心の中を

吹き飛ばす様に

数学ダージリン。

数学ダージリン。

暗い空に紫煙が舞う。
男の仕事は完璧で正確無比だった。
廃ビルの屋上にて『lucky strike』の煙草を燻らす。
これが男のスイッチでもあった。

上着のポケットから携帯灰皿をスマートに取り出し、煙草を消す。
バッグより組立式のライフルを取り出しスピーディーに組む。

ターゲットは向かいのビルの下方にあるオフィスの社長室。
その奥にある高価な花瓶だ。
男は殺し屋では無い。
依頼で人を殺めること

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道化師。【詩】

道化師。【詩】

辛くとも笑顔でおどける道化

舞台で舞い踊る様は滑稽

降りる緞帳事切れる身体

その様まるで棄てられた傀儡

決して見せない舞台裏

見せるは愛しく優しい貴女

推し量られるこの世の沙汰

後には戻れぬ茨道

貴女と歩く茨道

そんなわたしは彷徨う道化

心なんて。【詩】

心なんて。【詩】

何処にあるのかも理解らないのに

締め付けるような痛みしかないのに

想いが暴走して止めることも出来ずに

錯綜して迷い子になる事も必然に

心なんて
心なんて

木漏れ日から差し込む光のような

寒い日に包まる毛布のような

幼い頃撫でられた母の掌のような

繋がったあの瞬間のような

心は、なんて
心は、なんて……愛おしい

暮れ。【詩】

暮れ。【詩】

静かに

粛々と

暮れて終わる今日

休みは静粛で終わり

騒々しい明日が来る

洗濯の詩。

洗濯の詩。

揺れる揺れるシャツの袖

誰かに手を振っているかのよう

戦ぐ戦ぐタオル達

誰かに別れを告げるよう

わたしは走らない。

わたしは走らない。

歩行者信号が青から点滅して赤に変わろうとする際、走れば渡れそうだがわたしは走らない。

次の信号の変化を待つ5分あたりが惜しい人間になりたくない。

駅のホームの階段。
乗りたい電車が出そうなベルが耳を劈く。走れば乗れるかもしれないがわたしは走らない。
次の電車を待つ長くても10分を惜しむ人間になりたくないから。

土日祝日の会社帰りのバス。
駅から出たらバスターミナル。
乗りたいバスが見えて、乗

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秋の空、時計。

秋の空、時計。

「ふー」
吐く息と共に宙を舞う紫煙。
ーー女心と秋の空か……。

普通に話していたつもりだったが、急激に気分を害した御様子で彼女は帰って行った。
公園通りに取り残されたオレは、ベンチに座り仕方なく煙草を燻らせる。
携帯灰皿に灰を落として、
オレのテンションも地に落とした。

ーー何がいけなかったんだ?

公園通りを歩いてる最中、突然。
『気付かないんだね!もういい!』

ーーなんかマズイ事でも言っ

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