目標管理で注目のOKRsをグーグルに持ち込んだジョン・ドーア氏がTED Talkで語るOKRsとは?
目標管理の有名な手法としてOKRs(Objectives and Key Results)があります。こちらのWikipediaによると、OKRsは、アンドリュー・グローブ氏(Andrew Grove)が、インテル社の研修でその手法を広めたのが最初とされており、OKRsを実践する会社の代表格と言われているグーグル社にOKRsを持ち込んだのは、その当時ベンチャーキャピタルに勤務していたジョン・ドーア氏(John Doerr)とされています。今一度、OKRsの基本を学び直すために、ジョン・ドーア氏のTED Talkを視聴したところ、(当たり前ですが、)とても良くまとまっていたので、ポイントをご紹介したいと思います。
OKRsの生みの親が語るOKRsとは?
初めに、ジョン・ドーア氏は、現在の世界の混沌さを紹介した後、OKRsの生みの親である、アンドリュー・グローブ氏の以下の言葉を紹介します。
そして、OKRsは、目標の確実な完遂のためのシステムだと紹介します。そして、1970年代のアンドリュー・グローブ氏の講義の映像の中で、アンドリュー・グローブ氏は以下のように言います。
このように、シンプルに目標に対して、できたのかできなかったのかが判断できるシステムがOKRsであると語っています。
OKRsの要件
その後、ジョン・ドーア氏は、OKRsの詳細について説明を始めます。まず、Objectives(目標)とKey Results(鍵となる成果)について、以下のように説明しています。
しかし、これに続けて、これだけでは正しい目標を設定できないと説明し、「なぜ」やるのかという問いに答えられなければいけないと言い、以下のようにその理由を説明します。
なかなか難しいことを言いますが、簡単にいうと、意義がなければ、モチベーションも生まれないため、OKRsを実施するためには、そもそも、なぜそれをするのかについて、しっかりとした理解が必要だということだと思います。
そして、その後、目標(Objective)の要件として、以下の4つを挙げます。
Significant(重大な)
Concrete(はっきりとした)
Action-oriented(実行性のある)
Inspirational(心を動かす)
Significantの訳は難しいところですが、重大であるだけでなく、大切であったり、崇高であると訳しても良いと思います。基本的には、壮大な目標で、やること、やるべきことがはっきりしており、かつ、心が動かされるような内容が良いと言うことになると思います。企業の一部門がどれだけ壮大な目標を掲げられるかは、なかなか難しいところですが、OKRsの精神としては、これらであると理解できれば良いかと思います。
次に、鍵となる成果(Key Results)の要件として、以下の3つを挙げます。
Specific & Time Bound(明確&期限付き)
Aggressive yet Realistic(野心的でも現実的)
Measurable & Verifiable(測定可能&検証可能)
一番最初にあったように、議論の余地なく、イエス・ノーが言えるようにするためには、明確でなければならなく、測定もでき、掲げた数値と実際の数字がどのように違うか検証できなければいけないということになると思います。さらに、OKRsで特徴的な点として、いわゆるストレッチゴールと言われる野心的な目標でなければいけないというものがあります。
グーグルのOKRs例
グーグルの例として、2008年に現在のCEOである、サンダー・ピチャイ氏(Sundar Pichai)のOKRsを紹介しています。その時の目標(Objectives)は、以下だったとのことです。
上記のことは簡単にいうと、最高のブラウザを創る(Build the best browser)ということでした。そして、その鍵となる成果(Key Results)としての指標は、ユーザー数としたとのことです。なぜなら、ユーザーがChromeが最高のブラウザかどうかを決めるからだと理由を説明しています。そして、3年間、同じ鍵となる成果(Key Results)に固執したとのことです。数値については、初年度のKey Resultsは、2千万ユーザーとしましたが、1千万以下のユーザー数だったとのことです。次の年に、Key Resultsを5千万ユーザーとしましたが、実際は3,700万ユーザーだったとのことです。そして、3年目は、Key Resultsを1億ユーザーとし、結果、1.11億ユーザーと設定値を超えたとのことです。
このように、野心的な数値を設定しては、成果がその数値に近づいていくというOKRsの成功例になります。一般的には、これほどうまくことが運ぶことは難しいと思いますが、OKRsの利用例および成功例としては、とても分かりやすいです。
まとめ
最後にまとめとして、OKRsのことをジョン・ドーア氏は、以下のように結論つけています。
そして、冒頭で世界が混沌としている話と関連づけて、最後に、以下の言葉で結んでいます。
今回、再度、OKRsの基本を見返したいと思ったきっかけとして、鍵となる成果(Key Results)が、定性的でも良いのか、それとも、定量的でなければいけないのかという議論がありました。そして、今回、再度視聴したことにより、OKRsはそもそも、成果を計測することに主眼が置かれたフレームワークであるため、鍵となる成果(Key Results)は、原則的に定量でなければいけないということが再認識されました。
現在、GROWモデルといったコーチングおよび内省や経験学習のフレームワークを活用した、目標およびアクションマネージメントシステムを開発しております。製品に関するご意見を募集しておりますので、何かございましたら、以下よりお気軽にご意見お寄せください。
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