ダサいし、あざといし、かっこわるいし、美しくない。けど今回は飲み込もう。さあ錯覚資産を築こうじゃないの【前編】
しゅんしゅしゅんです。
ふろむださんの、人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている、を再読しました。
前回読んだのは9か月前。
2回目読んで思ったんですが…
「全然、実践にうつせてねえ」
この名著を読んだことのない方のために、本書の概要を少し。
「人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」は、一種の資産として機能する。本書では、これを「錯覚資産」と呼ぶ。
代表的な思考の錯覚はハロー効果。たとえば、経営者や管理職、人気作家、起業家、芸能人、有名コンサルタント、人気ブロガー、人気ユーチューバーなどの社会的地位が錯覚資産となり、その人が言っていること全てが正しいと思える。何を言っても重要なことのように聞こえる。そして実際の実力に関係なく、その人が全体的に優れていると認識する。
成功や失敗を決める要因は「実力>運」と思いがちだが、実際は「錯覚資産>運>実力」なのだ。
ハロー効果が得られそうな仕事や役割にノリよく手を上げ、チャンレンジを繰り返す。そして、たまたま成功してハロー効果を手に入れたら、そのハロー効果を使って、よりより環境を手に入れる。その環境の中で実力とさらなるハロー効果を得て、さらによい環境を手にいれる。
このループを生きよう
ざっとこんな趣旨だ。
改めて。真実だと思う。本質を突きすぎて、怖い。
しかし人の直感は、そんなことは正しくないという。生まれ持った才能、努力に裏打ちされた実力こそが成功の要因であり、運や錯覚資産なんて眉唾ものだと。ある理由により、誰でもそう思ってしまうのだそう。(その理由も本書に記されてます)
つまりけっきょく。
人類の0.01%は錯覚資産を狙った行動をしない。
実力さえつけば成功するはずだと…サロン、ゼミ、スクール、講座に精を出す。そう。9か月前に、この本を読んだ僕のように。
ハロー効果さまには逆らえないというのに。
逆らうのなんて無理だ。ハロー効果に「君はハロー効果だ」と名前をつけたところで、コントロールは不可。暴走モード。いや、心の中でハロー効果が暴走していることすら認識できない。
最近会社で人事考課会議があった。
隣の課の若手の話。個人的には仕事でほぼ絡むことのない彼。仕事ができる認識はなく、むしろおどおどしたタイプの彼に頼りない印象を抱いていた。
だが彼は、頭ひとつ抜けた評価を手にして、同期の若手をさしおいて上の等級にあがった。直属部長のいうことには、「ストレス耐性が強く調整難易度の高い案件をやり切った。他部署の評価も高い」とのこと。
あら不思議。その瞬間から、彼がどっしりした大型新人に見えてくる。
その会議でこんなこともあった。
ある営業の話。個人的には仕事で絡むことも多かったが、特段注目はしていなかった。しかし、ある企画部長が営業部から企画部に引き抜きたい人として彼の名前をあげた。
ああ不思議。その瞬間から、彼の何気ない一言が鋭い、気がする。
まさにハロー効果…
いわゆる役職者のハロー効果。ある人に対する役職者の評価を無条件に受け入れ、自分もその人を高く評価してしまう。
社内で一目置かれる存在になりたいのなら、誰にアピールするのが効率的かということ。悲しいかな、それは役職者である。そして役職者に一目置かれたいなら、その役職者が信頼している人にアピールすべきなのだろう。
運、実力、錯覚資産…どの要素も成功に影響するので、実力を磨くことが無駄だといっているわけではない。この本が伝えたいことは、生産性の意識だ。どこに力を入れると、成功に向けて効率が良いかということだ。
なるほど。勉強になりますね。
…とここで終わってしまうのならば、9か月前に読んだ僕と一緒だ。なんせ錯覚資産を否定する直感の力はこれまた強靭なもんで。また9か月後には「いい本だったけど、なに書いてあったかな」になってしまう。
なるほど。錯覚資産が大切なのねと。
じゃあ具体的にどうしてやろうか。わりと具体的に考えてみたので、そこは次回に。
では。