新メンバー妹子の加入!2006年に動き出した【ネガティブリアクションズ⑫】
2006年春。2人組で活動していたPUNKバンド「ネガティブリアクションズ」は表現の限界に辿り着いた。
実際に辿り着いたというよりは、見えてしまったから。
このままだと、この感覚でバンドは停滞し、それは限界に辿り着いたというのと同義に。
見えないものを追いかけていきたい。
永遠に焦がれるものを追い求めたい。
でも今思えば、あのままずっと2人組だったら...
そんな未来も気になっちゃうな。
前回までは↓↓↓
前回の動画は↓↓↓
まとめマガジン↓↓↓
新メンバー探し
「やっぱりベース探そう」
「ちょっとネットで募集かけてみるわ」
ドラムの鼻でかにそう伝え、画伯ちゃんは様々なメン募サイトへ書き込みをしていく。
その数日後。
マクドナルドでアルバイトをしていた画伯ちゃん。
休憩中にタバコを吸おうと、バックヤードから外へ。
ケータイをチェックしながら、近くの公園に。
1件だけメン募サイトからメールが届いていた。
人生で初めて来た、メンバー募集の返信だったかも。
どんな人だろう?と、プロフィールを見てみると年下の女性。
経験もほぼ無さそうだし、画伯ちゃんの住む町から電車で2時間弱はかかる地域の人。
うーん。遠いなぁ。
でも気にかけてくれる人なんて今までいなかったし...
"音源など送りたいので連絡先や住所を教えてほしい"と、ケータイのメールアドレスを載せて返事をした。
すぐに直アドで返信が届く。
まだタバコを1本吸いきる前だったはず。
住所や意気込みみたいなものが書かれた文章を見て、
「こりゃ休憩どころじゃない。こんなすぐに新メンバーが見つかりそうになるなんて」
もう口に出てたね。
鳩は数羽飛んで行ったし、餌をあげていた爺さんか婆さんかわからない人が、湯気みたいな揺れ方をしながら画伯ちゃんを見ていた。
バイトに戻り、数時間後に上がった。
すぐに着替えて自転車置き場へ。
ケータイをチェックしながら。
返事がきていた。全てを了承するような。
ただ文章だけではあっちも不安だろうし、画伯ちゃんは苦手な電話を自らかけた。
声を実際に聞いても、礼儀正しく、ハキハキとしていて好印象。
活動のテンポや、どんな目的を持っているかを話しても、全部飲み込んでいく相手。
"次の練習から参加したいし、そちらの練習スタジオ(画伯ちゃん達とその女性の間にあるスタジオではなく、画伯ちゃん達から見ても、もっと兵庫県宝塚方面にある行きつけのスタジオ)まで行きます"とのこと。
なんだ、このやる気は...
とりあえず音源を聞いてからということを伝えて、次の日には歌詞やコードとともにデモテープを送った。
そういえば2009年くらいまで、こういうやり取りは全部カセットテープだった気がする笑
ただ1つ問題があった。
応募してきてくれた女性のパートは"ギター"だということ。
3人でのファーストコンタクト
後日、会う日が決まった。
相手は相当緊張しているのか、こんなことを話していた。
「もしかしたら待ち合わせも、スタジオの中でも汗だくになるかもしれません。そういう体質があって...」
「大丈夫ですよ!僕もドラムも常に汗だくなんで!」
まぁ汗だくだけじゃなくて、"汗臭い"とも伝えたかったけど、いちいち言わんでええかと飲み込んだ。
阪急蛍池駅に3人は集合。
画伯ちゃんは家から約35分。
鼻でかは家から約30分。
新メンバーの女性は約120分...
「さすがに続かんくて辞めてまいそうやな。梅田、アメ村、天王寺のスタジオ入ることも検討していかなアカンかもな」
鼻でかにそう話しながら、新メンバーを待っていた。
「遅くなってすみません」
汗だくの小さな女の子がやってきた。
目が大きくて、少しボーイッシュでパンク風な格好をして。
「遅くなってすみません...汗だくですみません...阪急の違う路線に間違って乗ってしまいました...すみません...」
「いやぁ、わかりにくいですし、ここまで来てもらっただけで嬉しいですよ!少し呼吸を整えてからスタジオに向かいましょうか」
「はい!ありがとうございます!」
信じられないくらい汗をかいていた。
不安で汗をかく画伯ちゃんの汗がおさまるくらい。
この人がいると、"不安が減りそうだなぁ"と感じていた。
命名する画伯ちゃん
ここで画伯ちゃんが鼻でかに向かって言う。
「なんかさ、俺と顔似てない?」
「似てるか〜?」
「目がクソでかくて、汗かきで。もし俺に妹がいたらこんな感じしない?」
「そうかなぁ」
たぶん本当に納得してなかったと思う。笑
ここで画伯ちゃんは2人に向かって話す。
「俺はさ、リュック背負っておにぎりが好きだから"山下清"というバンド内の名前があるの」
「そんでドラムのこいつは鼻でか」
「もし一緒にバンドやるならさ、名前つけてもいい?前いたベースは"色白"って名付けて3ヶ月くらいで辞めてもうてんけどね」
女の子は
「はい!名前お願いします!」
と返事。
画伯ちゃんは今まで名前をつけるとき、いつも悩んでしまっていた。
しかしこの時は
「じゃあ、妹子!」
すぐに名前が思い浮かんだ。
鼻でかの時も、すぐに思い浮かんだことを思い出しながら。
「見た目が妹っぽいし、響き可愛いし」
女の子に呼び名がついた。
この日から、妹子と呼ばれる女の子と画伯ちゃんの、とても長いバンド生活が始まることになる。
あと2010年頃にたまたま聞いたが、妹子にすればなんで"鼻でか"が"鼻でか"かわからなかったらしい。
当時おれが理由を言わなかったのもある。
なので「普通にあいつの鼻がでかいからやで」と話すと「え!清くんのほうがでかいやん」と衝撃的なことを言われた。
俺は俺の方が鼻がでかいのに、鼻でかを"鼻でか"と呼んでいたなんて...
他人はどんな気持ちで鼻でかと呼んでるシーンを見ていたのか...
3人での初スタジオ
スタジオについて妹子のセッティングを見ていた。
音と弾き方も見聞きした。
数年前の画伯ちゃんを見るかのような、絶妙な下手くそさ。
でもベースレスなまま、狂気な童貞2人に下手くそでポップな可愛らしい女の子がいるのは面白いんじゃないかと思えた。
そして、ここで今日は"普通の練習をする必要はない"と感じた。
経験を積めば妹子は勝手にうまくなるタイプだと思えたし。
ある程度の音出しを終え、みんなを止めた。
「今から曲を作る。簡単なやつ。それをスタジオが終わるまでに完成させよう!」
ほとんどEとAのコードしか使わない、簡単なラモーンズ的なパンクソングをその場で作った。
衝動や、この日の嬉しさを反対にしたような歌詞を、即興で歌いながら披露していく。
こんな曲↓↓↓
(その後もプレイしていたが、なぜか音源は残っていない)
2時間弱で1曲完成した。
俺と鼻でかは、妹子を殺してもいい(引かせて、辞めたいと思わせてもいい)くらい、殺気を込めて演奏した。
妹子はほとんど弾けてなかったけど気持ちでついてきた。
元々"あの感覚"を持つ人達としかバンドを組んでこなかったので、目の前でリアルタイムで"あの感覚"を養おうとする妹子の姿に感動した。
※あの感覚を"言葉"に置き換えられない。PUNKさというか、狂気さというか、絶命してもいいくらいの感情を外に出し続ける能力というか...
演奏や表現力なんていつか最低限は身につく。
それよりも大事なものを見せてくれた。
気持ちを全開にしても、食らいついてきて俺を笑わせてくれた。
ROCK=顔
笑える顔=ギャグ
ギャグ=人生
Life is a gag...
スタジオからの帰り道
「どうでした...?下手くそですみません...でも楽しかったです!」
「俺達も楽しかったよ!距離(時間とお金)の問題があるけど一緒にやっていこ!」
「.*・゚(*º∀º*).゚・*.ありがとうございます!!!」
阪急蛍池駅近くの公園で、時間の許す限り3人で話し合った。
もしかしたら画伯ちゃんは、人生で初めて本当の部分を見せながら、女性と面と向かって話をしたかもしれない。
こうしてネガティブリアクションズはポップな女の子をメンバーに迎え入れ、新たな世界観を構築しようとしていく。
音楽だけではなく、様々な企画も模索しながら。
何かが始まろうとしていた。
Life is a pee-pee...??
次回は、みんなで京都旅行、妹子との合宿免許の旅、画伯ちゃん卒論のフィールドワークで東京へ、3人での初ライブ
について書いていく。
妹子が当時使ってたギター↓↓↓
(確かこんなモデルだったけど、俺よりいいやつ使ってたんやな...)
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