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【読書】『大家族ごはん物語』流水りんこ(著)ぶんか社

『大家族ごはん物語』
流水りんこ(著) ぶんか社

あらすじ
昭和初期、東京駅前のおだんご橋を渡った場所にある、あっこのお家でのお話。 辯護士(べんごし)のお父さんと、気骨のあるお母さん、にぎやかな兄弟7人、そしてお父さんが養っている書生のお兄さん3人の大家族で暮らしており、お父さんがこっそりくれる甘いお菓子や、お母さんの作るあたたかなごはんは、いつもあっこ自身を満たしてくれていた。 ところが、戦争の兆しを受け、住んでいた家を追われ、家族がバラバラになっていく。 幼いあっこは凄惨な時代をどう乗り越えていくのか――。 ホラー&エッセイ作家で大人気の流水りんこが描く、実際の人物をもとにしたハートフルストーリー!

書名︙大家族ごはん物語
著︙流水りんこ
出版社︙ぶんか社
ISBN︙9784821129249
判型︙A5
定価︙本体745円+税
発売日︙2022/03/10

著者である流水りんこさんの実母とお祖母様の実録記だ。
大正から昭和の時代、戦中までの時代に、
けっして贅沢ではなく、ごくありふれた家族の食事を主軸とした物語だ。

関東大震災に見舞われたときの描写に、
「赤ちゃんは直ぐに前におぶって‼︎後ろだと何があるか分からないよ‼︎」
と声をかけられる。
これには、かつて、自分自身が、「後ろにおぶっていた赤子に火がついて...」という話を聞いたことを思い出した。

関東大震災にしても、戦中にしても、違った体験をされた方もいるだろうし、違った話を聞いて育った人がいるかもしれない。
それは、100人いたら100通りの生活があるように、それぞれが違って当然のこと。
本書は、そんな当時のとある“庶民”の生活様式を分かりやすく丁寧にまとめ、しかも、面白い。
世代を超えて、幅広い世代の人に読んで欲しいなと、そう思わずにはいられない、そんな本でした。

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