Resistance2
私は転職をし、大企業の商品管理部という部署で働くことになった。
ここで働かなかったら、死ぬことはなかったかもしれない…と思っていたけれど、例え、ここで働かなくとも、私が自ら死ぬことは避けれない事案だったのかもしれない。
転職する前は中華屋さんやホテルのカフェのホールスタッフとして働いていた。
忙しかったし、他者と関わることは苦手だったけど、無理して作り笑いするのも、悪くないと、今はとても感じている。常連さんとの他愛のない話も、楽しかったなって…もし病気が治ったら、またホールスタッフするんだって決めていた。
商品管理部。トイレ以外はパソコンと睨めっこ。パソコン画面から目を少し逸らしたら上司と目と目が合うという残酷さ。息抜き?なんですか?それ??状態。通勤ラッシュも含めて、12時間、私の心は休まることなく、ずっと緊張で糸が張り詰めた。
私は完璧主義だった。間違いが許せなかった。他人の間違いも自分の間違いも。他社から送られてくる図案に入力することがあるのだが、その図案が間違ってると、結局、私が直すハメになる。私の仕事の計画が大幅に崩れることに、とてもストレスを感じていた。
また、部署内の雰囲気も、悪かった。常に緊張感で張り詰めていた。部長の叱責も酷いものだった。もちろん私は怒られたことはない。正社員ではないので。しかし、正社員でないからこそ、仕事でミスするわけにはいかないのだ。私は怒られてないのに部長の叱責を聞くと、私が怒られているような気持ちになった。そして、次に怒られのは私だという謎のプレッシャーで苦しめられた。
そのストレスなのだろうか…私は風俗のバイトを始めた。お金に困っていないのに、なぜ風俗のバイトなんて始めたのだろうか?今なら分かる気がする。認めてほしかったのかもしれない。褒めてほしかったのかもしれない。それでも、体を売る仕事だ。ストレスで始めた風俗のバイトは、大きなストレスとなって、私に帰ってきた。風俗のバイトは、デスクワークに影響がないよう、土曜や祝日だけと決めていた。
真面目な性格がアダになったのだと思う。私は少しずつおかしくなっていった。仕事が終わり、お腹が空いているはずなのに、全くお腹が空かない。食欲が全くないのだ。朝ごはんも食べれなくなってきた。気付いたら体重が47キロから36キロに減っていた。悲しくないのに涙が出た。見かねた母が、「もう仕事を辞めれば良いしょ。」と言ってくれた。辞めて良いんだ…仕事辞めたら、好きな物たくさん食べよう!!そう思っていたけど、本当の地獄はこれから始まることになることを私は知らなかった。