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【茶会】小間・濃茶席で思いがけず正客をさせていただく

かねてから参加してみたいと思っていた、茶会の茶券を事前に申し込むことができ。
「茶会にしばらく参加していないから、機会があったら行きたい」とお話されていた、稽古場でご一緒のHさんにお声がけして、日曜日に、二人で参加。

Hさんはかつて(数十年前?)別の稽古場に通われていたけれど、お子さんを授かった後は中断され、2年ほど前から、同じ稽古場に入られた方。
古希を前に書道、華道、茶道を新たに習われたり、再開されたりしている。着物もお好きとのことで、着こなしが堂に入られている。

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この日の茶席は、小間・濃茶席、広間・薄茶席、茶庭・立礼の三席。
受付開始時間の30分前にHさんと待ち合わせて向かってみると、すでに受付が開始されていた(←茶会あるある)。
荷物を預けて濃茶席の待機場所で、整理券をいただく。
濃茶席の定数は10名とのこと、あの三畳台目の小間に、客10人??と驚く。
二席目に入ることになり、待機場所でHさんと並んでお待ちしていると。
濃茶席の受付を担当されている方(80代くらいの先生)が、コの字型に並んでいる10名の前に座られて、「どなたにお正客してもらおうかしら?」「やりたい方、いらっしゃる?」とおっしゃる。

お決まりの、沈黙の時間…(←茶会あるある)。
並んで待っている10名の顔を一通り見渡した先生。
「・・・じゃああなたに、お願いしようかしら。」
とご指名を受けたのが、なんとご一緒していたHさん(!)。

Hさんと同い年くらいの方々もいらっしゃるように思われたけれど。
江戸小紋をきりりと着こなしているから…かどうかはわからないけれど(笑)、Hさんが選ばれ(!)。
そしてご指名を受けたHさん。
無言のまま、小刻みに何度も顔を横に振り、真顔で「無理です」の意思表示をされた後、
無言で先生をみつめたまま、隣に座っている私の腕をとり。
(この人がやります!)(←と聞こえた気がした…笑)とアピール(!?)。

受付担当の先生と、他の参加者の皆さんの視線がこちらへ…。

明らかにご経験の長そうな方々がいらっしゃるのに、引き受けてよいのか?という気持ちと、
「あまり遠慮しすぎるのも主催者にご迷惑になるから、頼まれたら引き受ける」という(稽古場の)先生の言葉と、
ついこの間参加した茶会で、薄茶席で先に席に入られていた方と、正客の譲り合いをやや長々として、お譲りしたけれど、ああいう場合は引き受けるべきだったのでは、という反省をしていたこともあり。
首を縦にも横にもふらずに逡巡している私の様子をみていたご臨席の皆さんのうち、数名の方が、膝前に手をついて、
「よろしくお願いいたします」
と言われ。
その礼を受けるかたちで、恐縮ながら、正客を引き受けることに。

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その後、待合に「お正客の方からどうぞ」とご案内いただく。
稽古場では(弟子の数が多くないこともあり)正客をさせていただく機会は多いけれど。
茶会で(稽古以外で)、そして小間の濃茶席で正客をさせていただくのは、初めてのこと。
ただ、緊張はしたけれど、「ワクワク」の気持ちが、勝っていたような。

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ご案内があり、躙口からほの暗い茶席へ入ると、お席担当の先生が給仕口のあたりで、ニコニコの笑顔で迎えてくださり、ほっとする。
(全員が席入りした後で、ご亭主が入ってこられることが多いけれど、今回はこのようなパターンであった)

席入り後、「どうぞ、ここへお座りください」と指定いただいた場所は、炉のすぐ真横で、お点前さんに背を向けるかたちになる場所。
(こ、ここですか!?)
と驚くも、小間に10人の客(+お点前さん、+ご亭主)が入るとなると、それ以外に方法はないか~、と。

この日は11月にしては、気温がやや高めではあったけれど。
ほの暗い中、紅く燃える炭を眺める時間、なんとも幸せであった。

濃茶席では、次客が濃茶を一口飲み終えた頃から亭主に諸々のお尋ねをする(それまでは基本、無言の緊張感を味わう)ことになっているけれども。

今回は、先生(ご亭主)がはじめからいらっしゃり、和やかな空気をつくられていたので、ほぼ緊張せずに済む✨

縁高に盛られた練り切りと、お点前さんが目の前で(正確には背後で)練ってくださった各服の濃茶を、大変おいしく頂戴し。
次客が濃茶に口をつけられ、正客の大事な役割、茶銘や詰、お菓子、お道具などについてお尋ねを始めたのだけれども。
前御家元、宗旦宗匠の花押のあるお軸については、詳しく説明してくださったけれど、「他の道具は会期を床の間に置いているので、それをご覧になって」とのことで、出番はやや少なめ笑。

最後に茶入、茶杓、仕覆を拝見し、躙口から、明るい露地へ出る。

小間・濃茶席の正客デビュー。
なんとか無難に終えられた、かな?

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続く薄茶席、また立礼席でもお菓子、薄茶を大変おいしく頂く。
流派によってお茶の点て方が変わり、点て方で味も変わるのだな(抹茶の種類も違う、ということもあるけれど)、と感じる。

三席すべてをまわり終えた後で、
「濃茶席でのお正客、私、大丈夫でしたかね…?」
とHさんに、おききしてみる。
「さすがだな、と思いました。濃茶席の後、ご一緒だった方が『お正客された方がいらっしゃってるから、次はここで大丈夫ね』とお話されてましたよ。」とお話くださり。
思いがけない展開だったけれども、Hさんのおかげで(?)貴重な経験をさせていただきました😊

茶の正月といわれる時候のお茶会、Hさんと「また来年も」とお約束して、茶席を後にしたのだった🍵


#1日6000歩  11/1-11/7 計71,211歩 10,173歩/日💮



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soufu(そうふ)
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