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福耳の犬
2020年5月11日 17:55
初夏、照りつける太陽。田んぼも水が温んで黒い小さなものが泳ぎ回る。泥にくねくねと模様を描く三角を避けて、黒いものはくねくね泳ぐ。バシャッ《入ってない、、》バシャッ《入ってない、、》僕達のチャレンジは挫けず続く。バシャッ《ん、?、、や、、》黒い泥に蠢く姿。《やった〜》潰さず掴んで水で洗う。『やった〜足付きの獲ったぞ〜』バケツの中を覗きに来る頭、
2020年5月7日 21:14
ある風の強い日にコンビニのソフトクリームの旗竿に(妖怪)一反木綿が引っかかっていた。バタバタと風にたなびき、今にも破れそうだ。生地も黄色く黄ばみ、ところどころ黒くカビまで生えている。『あ〜ぁ〜可哀想に、、』僕は旗竿にグルグル巻き付いてしまっている(妖怪)一反木綿を丁寧に解いて外してあげた。もう何日もこの状態だったのか(妖怪)一反木綿は元気も無く、シワシワヘロヘロのボロ切れ状態だ
2020年5月4日 21:31
太陽がサンサンと照りつける日陰のない道を、タモを持って僕らは歩く。景色はユラユラと揺らめき、湿った髪の毛からは汗がタラリと流れ落ちる。石段を登って神社の中を横切り、ブロックの塀に囲まれた目的の人家の横にたどり着いた。神社から少し離れたその家は、大きな木が塀沿いに3本生えて緑のタワーを形作る。側溝横の黒いアスファルトに緑の虫かごを置き、僕達は臨戦態勢に入った。見上げるそのタワーに
2020年5月4日 08:33
《ビュービュー、パチパチパチ》春の嵐が家を揺する。雨は窓ガラスを打ち、絶え間なく雨水は流れ落ちる。窓の外を眺める僕は一人ワクワクと気持ちが高なってくる。学校が休みの土曜日が待ち遠しい、、そして土曜日の天気は晴れでも雨でもどうでもよいのだ。土曜日さえ来ればいいのだ。やっと《土曜日》だ。家族がまだ寝静まる時間に早起きして駅に向かう。始発電車を待つ駅の、山に向かうホームに