見出し画像

初めての図書館

EJさんの記事を読ませて頂いた時に
ふと思い出したことがありました。

私は入学したばかりのピカピカの小学校1年生。

画像4

オリエンテーションを終え
今日から図書館の本を借りていいことになりました。

以前もお話しましたが
私は熱を出しやすく幸い近所に小児科のお医者様がいらしたので
しょっちゅうお世話になっていました。
ある日、また待合室で待っている時に一冊の本を見つけました。
それは「フランダースの犬」でした。
子ども用の本なので簡単に書かれていたと思うのですが
私は最後の結末にショックを受けてしまいました。
感情を引き摺るタイプなのでなかなか抜け出せないでいました。

1年生は一回に2冊まで借りていいと言われ
初めて図書館の中に足を踏み入れました。
たくさんの本が並んでいます。
絵本や図鑑、怪盗ルパンのシリーズなんかもあったみたいですが
私はある本を探して図書館の中を歩き回りました。
そして1冊、絵本仕立てのを見つけました。

画像1

そして隣の棚には字が小さめで少し厚めのがありました。

画像2

(この2冊は現物と同じモノではありません)

私はその2冊を持って担任の先生のところに行きました。

「広葉(苗字が入ります)さん?同じ本を2冊も借りてどうするの?」

私は「フランダースの犬」を2冊持って来ていました。
まだ人見知りでなかなか言葉の出ない頃でしたので
何も言えずただじっとしていました。
怒られるのではないかと内心ドキドキしながら……
けれど先生は何も仰らずそのまま貸してくださいました。

家に帰って母に話すと何も言わずに話を聞いてくれました。
高熱で良く眠れない時
洋画も観ましたがたくさん本も読んでくれました。
漫画でも活字でもとにかく文字に触れることを
何よりも勧めてくれたのが母でした。

EJさん‼️素敵な気付きをありがとうございました♡


実はこのお話には後日談があり
ポプラ社主催の『読書は心の翼』という公募に応募して入選し
本に掲載されました。

画像3

画像5

私のタイトルは【あの一冊に出会った頃】

内容は長いので少しご紹介します。

〔……家に帰って来て母にそのニ冊を見せた。母は本を手に取り静かにこう言った。『お姉ちゃんの今の気持ちが両方とも借りたいと思ったのね?それだけこのお話がお姉ちゃんの心に残っているのね?』そう言われた時、私は待合室で初めてこの本を読んだときの記憶が戻ってきた。そしてあの時残った言われようもない気持ち『こんなかわいそうなお話ってないよ!!』という気持ちが胸によみがえってきた。そしてあの時はわからなかった涙が流れてきた。母は優しく私の肩を抱いてくれた。

私にも今、7歳になる娘がいる。図書館に行っては自分で読みたい本を借りられるだけ借りてきて一気に読んでしまい、また借りてきているので彼女の読書記録は1年間で150冊になっている。が、まだ彼女には心に残る一冊は現れていないようだ。「フランダースの犬」もまだ手にとっていない。が、無理にそれをすすめるつもりはない。いつかきっとこの子にも私にとっての「フランダースの犬」のような本との出会いがきっと来るだろうから……そしてその時、私は母が私にしてくれたように優しく話を聞いてあげようと思っている。その日が来るのが楽しみである。〕

以上です。

何かにハマるという性分は
この時から芽生えていたのかなぁと思いましたww

今日は私の読書の思い出でした。読んでいただきありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?