幸福日和 #075「すぐそこで、高鳴るもの」
数年前の入院生活でのこと。
世の中とのつながりも絶たれた状態で
平凡な日々を過ごしていました。
「世の中のつながりを絶たれた」とは
大げさに聞こえるかもしれないけれど、
当時の僕は、病床で体を起こす気力すらなく、
テレビや新聞も目にすることもできない状況の中で、
社会で起きている出来事など何も見えていませんでした。
唯一、お見舞いに来てくれる友人の情報だけが
世の中のすべての出来事のように感じていました。
無駄にすぎていく時間。
変化のない日常。
そんな中で、僕の体