【血の粥】誰も知らない吸血鬼(24)
ジャはおもむろに立ち上がると、笑いが止まらなかった。まわりから悟られるほど、彼女はエコーを心から求めていた。それを失った悲しみに打ちひしがれ、命と引き換えに誰も知らない吸血鬼に変身。言葉は失ったが勘は冴え渡る。前歯の両隣に隆起した尖った牙がめきめきと生えた、憎悪が湧いた。コバートへの怨念が止まらない。エコーを殺したのはコバートだと、ジャの心に棲みついた憎しみが叫ぶ。ジャはその後、吸血鬼の高速移動で住居へ戻った。もちろん目撃者はいない。それからジャは甕棺に閉じこもって寝る生活を