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#220[朝の小説]冬のしずく,140字連載,まとめ(2),最終話[スピンオフ]
朝のつぶやき小説、最終話。発想や心象風景を想像する感性、絵にする時の論理。ふたつを融合させて、朝刊の連載小説をイメージした企画、第二弾。
昔こどもだった大人と、小さな子の姿をした大人をつなぐ作品集。優しく、新しく、懐かしく。
温かい作品をめざしています。
(約 1,700字)
・・・
■本編(6話〜10話 完)
写真の祖父とは よく目が合う
眠る時、起きた時
この八畳間に入ると 朴訥で穏やかな表情が
こちらを見つめる
仏壇の下の和裁箱から 鋏を取るよう言われ
円はキヨに尋ねると 見たこともない丸い形
こう持つんだよ ちりがみの封を解き
一枚ずつ折りたたむ姿を ふしぎそうに見ていた
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だまし舟の折り紙 民話のレコード
ここだけ、時間が止まっていた
古びた小物は 鈍い光を放つ
初詣に行こう 夜中に神社へ行く
面白そうだろう?
蕎麦を食べ終わり 実が唐突に言う
日が暮れはしゃぎながら歩く雪道
行列は階下まで続く お参りが済み
帰宅すると 一気に眠りに落ちた
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大勢の人が階段に列を成す
途中で止まると 手足が急に冷え
ジンジンとして 動かなくなっていく
大きな鈴を二回、鳴らして手を合わせた
世界が平和でありますように
新しい靴跡がついては消え
街灯の下に結晶が重なり 小さな氷の城のよう
製材所の轟音も止み 怖くない夜もあると知った
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おせち料理が並んだ
卓袱台に皆が揃い キヨが言う
咲ちゃん、ちょっとお味みてくれる?
昆布巻きをひと口、おいしいです。
妹は栗きんとんに夢中
咲は伊達巻を実の分、取り分ける
円は箸を止めて ストーブの上のお餅眺める
ぷぅと膨れ ゆっくりとしぼむ姿が愛らしかった
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この急須は……? お店に謝らなくちゃ
キヨはまちがうことが増えた
いくつかの町を転々とし
そのたびに「ふるさとに帰りたい」と云う
家はやがて 空き地になった
楓の枝に腰かけ 貨物列車を眺めた畑
隣の公園の錆びたブランコ
静寂と鉛色の雪雲の町を後に
円はキヨを想った
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<完>
この作品は今後、加筆・修正後に
ひとつの記事にまとめる予定です。
あとがき
おはようございます。年始休暇の連載小説として、昨年夏から温めていた本作品。
本作は一枚の油絵、やや抽象的な風景画から生まれました。深い雪に覆われた小さな町の風景。小さな家、木の電信柱、鉛色の空。
このエピソードを、本編と絡めた構成に悩みました。
大きな作品にするつもりのない、でも軽い物語にはしたくはない作品。
600〜800字程度で、朝刊風の連載小説を書きたい。
けれど、創作は嘘はつけません。本をあまり読めず、言葉の進化はのんびり。発信する度胸はついたかな。
作者本人の内面が、物語に反映します。胸に響き、記憶に残ること、肚の底から噴き出す想いや意思。
文字で伝えないことには、このnoteの世界で生きることができません。
創作を通して、多くの方々に希望やインスピレーションが生まれ、自らの手で何かを生み出し、届くことが自信や勇気になり、周りも自分も活き活きと暮らす原動力となりますよう、願っています。
■収録・投稿先
個人マガジン
#7 短編集(300字から) | 久藤 あかり
マガジンの使用枠がないため一時的にこちらに掲載。
共同運営マガジン
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小説のスケッチ: 併せてどうぞ☆
このお話の、本編です。
スケッチ風に軽く書きました。
つじつまや、描写の甘い箇所が多数ありますが、何か感じたこと、思い浮かんだことなどがありますか?
ぜひご感想をお聞かせくださいね☆
思い出のお話も大歓迎です😊
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枝ぶりがNG🤭
■年始のご挨拶
本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
みんなのフォトギャラリー
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種類もですが、
顔が時々マヌケになります(笑)
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発行することになるとは
我ながら、いい読みでした😏
(セルフ・シンクロニシティ)
次回もお楽しみに✨
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