Ryuichi Amano

【Changing the way flower business is done.】…

Ryuichi Amano

【Changing the way flower business is done.】 元フラワーアーティスト 現在はLACA西荻窪店 店長 花を作るより生産者さんの作る花の魅力を伝えたい 売り手になり花の仕入れ担当になった今、 感じるこの楽しさと花の魅力をもっと伝えていきたい。

最近の記事

ある悲しみ、ない幸せ

自分は一体何を表現したいのだろうか。 自分は何を追い求めているのだろうか。 学生から起業するまでの頃、やっては繰り返し、わからなければ調べ、なければ作り、表現できなければまた漁り…何かに取り憑かれたように、いろんなことに挑戦したり表現したり、自分自身を探し回っていた。 花屋になって20年。 一度、制作に没頭することから抜け、また新たな方向で道を歩み始めた。(結果は花の業界に戻ってきたのだが。) その一連の中で感じることは “表現”できない苦しみだった。 「何かをやり

    • 危険な花屋

      「おい、お前ふざけんな!!ぶっ⚪︎すぞ!!」 どこかから聞こえる罵声。 皆様これを聞いてどう思うだろうか。 良い気持ちに思う人は、いないだろう。 むしろ不快な気持ちになり、トラウマが蘇るきっかけになる人が少なからずいるのではないか。 私もそのうちの1人だ。 ではなぜ、その時罵声を浴びることになったのだろうか。 偏見ではあるが、建築現場ではこのようなイメージが多くある。 [上下関係がしっかりしてる。] [何かあればすぐに汚い言葉を使う。] [場合によれば手を挙げてし

      • 『花屋』ってなんだ。

        ここ近年、多くの(花屋)を目にする様になった。 それはSNSが発展したことがとても影響してる。 そして嬉しいことに、「花屋」になりたいという若い世代も目にする。 私が始めた頃は、海外の「花屋」さんの特集の本を買って本が汚れるほど読み込んだ。 “こんな『花屋』になってやる” でもいつからだろうか。 “こんな『花屋』になりたい”と思う気持ちが薄れたのは。 おそらくきっかけはSNSが日常の当たり前になった時だ。 今『花屋』になりたい。と思って「花屋」になってるやつはどのく

        • 花は誰のために仕入れるのか。

          仕入れ担当になってから、本当に多くのお花を仕入れてきた。 たくさんの農家さんや産地を調べたり、まだまだ知らないことや多くの発見があり、本当に花屋は楽しい。 そんな中ふと、疑問に思うことがある。 『私は誰のために花を仕入れてるのだろうか』 「お客様のため」と言いたいところだが果たしてそれは真実なのだろうか。 少し話は変わるが、 私が花屋を始めたころ、店頭にオーナーが好きな花がいくつかあった。 しかし、その花材を知らずに使うと、あまりよく思われなかった。場合によったら怒ら

        ある悲しみ、ない幸せ

          産地に出向く。産地で学ぶ。

          その日はびっくりするほどの晴天でした。 この会社に勤め、仕入れをするようになってから、初めての産地見学。 前回の記事で記載したスタッフを誘い、千葉へ出向いた。 たまたまSNSに 「この期間でしたら、見学できます。」 と記載があったのを拝見し、連絡をとったのがきっかけだ。 伺ったのは、千葉県富浦にある カーネーション農家『精華園』 代表の岩田さんが、案内してくれた。 とても気さくな方で、ゴルフと女性好き(自分で話してました)の農家さん。 早速ハウス内を案内してくれた。

          産地に出向く。産地で学ぶ。

          『花屋が嫌われる理由』

          先日、「花屋でいい接客に当たったことがない。花屋のスタッフはいつも不機嫌」 という投稿を拝読した。 私は深く頷いた。 自分のお店を持って居た時、知り合いの社長に言われた事が脳裏に浮かんだからだ。 【花屋とパン屋は嫌い】 これはとても意味深く、花屋の仕事とは?と深く考えるきっかけとなった。 花屋とパン屋の共通点は、朝が早いこと。 その社長が言いたかったのは、 朝早くから働き、労働時間も長く制作作業に追われ、自分自身に余裕がなくなった結果、接客が雑になってしまうから。

          『花屋が嫌われる理由』

          『花が好き』とは何か。ある花好きによって気付かされた『花が好き』の真実

          私は花が好きで仕事を始めたわけではない。 学生の頃、配達員募集の張り紙を見てこの業界に入った。 配達だけなら簡単な仕事だ。と不純な動機で始めたのが本当のきっかけだ。 結果的に人手不足で一番やりたくない接客業をやることとなった。 今だから言えるが、アルバイトの時は花が好きという感覚には正直なれなかった。 当時、私は美術大学に通っており、カタチ(形態論)について研究をしていた。 それもあってか、唯一興味を惹かれたのが、花のもつ自然のカタチと、自然の色。 これが唯一継続できる

          『花が好き』とは何か。ある花好きによって気付かされた『花が好き』の真実

          花屋として認められた

          先日、Threadsに以下のことを投稿した。 こちらを投稿すると、たくさんの方に共感をしていただいた。 Threadsを初めてから、ここまでの反応はなかったので、嬉しさと驚きで変な気持ちだった。 この反応をきっかけに、改めておばあ様が来店されたその日のことを振り返ってみた。 するともうひとつ自分の中で、花屋を始めた当時のとある記憶が蘇ってきた。 その記憶を文字として残しておきたいと思い、今こうして急遽記事を書いている。 私が花屋を初めて2.3ヶ月ほど経った時だろうか、

          花屋として認められた

          花屋歴20年 アーティストとして花の作品を作り続けてきた僕が、丹精込めて作られた一輪の花の魅力に気づいた経緯。(後編)

          前編では「花を買う基準」について、触れてきた。後編で、タイトルにある【一輪の花の魅力について】惹かれていった経緯を伝えさせて欲しい。 言うまでもないが、たくさんの農家さんや産地を知ってきたことも事実である。 そしてもうひとつが 一輪で買うことは『価格が安い』からだ。 この『価格が安い』と聞いて皆さんはどんなイメージを思い浮かべるだろうか。 品質が良くない。選べない。花持ちが悪い。
などプラスよりもマイナスなイメージの方が多いのではないか。 私が伝えたい『安い』は皆さんが

          花屋歴20年 アーティストとして花の作品を作り続けてきた僕が、丹精込めて作られた一輪の花の魅力に気づいた経緯。(後編)

          花屋歴20年 アーティストとして花の作品を作り続けてきた僕が、丹精込めて作られた一輪の花の魅力に気づいた経緯。(前編)

          花を買う時、何を基準に買うのだろうか。 センス?価格?ボリューム?人柄? それぞれいろんな意見があるのではないだろうか 当時花屋で独立開業した時。 フラワーアーティストと名乗り数多くの作品を作ってきた。 当時は花の種類や品種も少なく、限られた花の中でいかに自分のオリジナルの作品を生み出せれるのか。に力を入れていた。 上記の買う基準でいうと「センス」の部分一択だったに違いない。 お客様が欲しい商品よりも僕自身が作る花を気に入ってくれた人に買ってもらいたい。と、今思えば我儘な花

          花屋歴20年 アーティストとして花の作品を作り続けてきた僕が、丹精込めて作られた一輪の花の魅力に気づいた経緯。(前編)