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危険な花屋

「おい、お前ふざけんな!!ぶっ⚪︎すぞ!!」
どこかから聞こえる罵声。

皆様これを聞いてどう思うだろうか。

良い気持ちに思う人は、いないだろう。
むしろ不快な気持ちになり、トラウマが蘇るきっかけになる人が少なからずいるのではないか。

私もそのうちの1人だ。

ではなぜ、その時罵声を浴びることになったのだろうか。

偏見ではあるが、建築現場ではこのようなイメージが多くある。

[上下関係がしっかりしてる。]
[何かあればすぐに汚い言葉を使う。]
[場合によれば手を挙げてしまう。]

もちろんいいことではない。

では、少し違った視点でこの起きる原因を考えてみたい。

建築現場では、危険な場所での作業が多くあり、場合によったら死と隣りあわせ。
1人のミスが、働いているモノ、そして近隣の人たちを巻き込み重大な事故となる。

自分だけでなく、周りの人たち、関係者の人生を、その一瞬の気の緩みで壊してしまう。
こんな恐ろしい事はない。

この話しを聞いて皆様はどう思うだろうか。

[小さなミスで荒げる罵声。]
[聞いてなかった、教えてもらえなかったと反論するもの。]
[労働に対して見合わないと抗議するもの。]

一瞬の気の緩みが、最悪な方向へ向かう現場で、甘いことを言ってられるわけがない。
むしろ声を荒げる者が出てくるのは必然ではないのだろうか。

私が花屋でアルバイトを始めた時。
社長と奥さん(私の師匠に当たる人)が
ある時血相を変えて店舗にやってきた。

当時、私と一緒に働いていたスタッフにあれやこれやと質問攻めしていた。

私は当時花屋を始めたばかりだったが、この事件をきっかけに、『花屋の重要性』を思い知らされた。

お客様が、お取引き様と新たな仕事を契約した。
その仕事の契約が決まった事で、会社から昇進する事を約束された。
その上司も喜び、先方様に『お花を贈ろう』となったのだろう。
「新規契約」「部下の昇進」
そして「今後よろしくお願いします。」
本当にいろんな思いのこもった花贈り。

【クレームとなった】

その当時の記憶が定かではなく、なぜクレームとなってしまったのか忘れたが、一緒に働いていたスタッフが先方を激怒させてしまうほどのミスを犯してしまった。

血相を変えて店頭にきた社長と奥さんは、そのスタッフを連れて、お客様の元へ出向き。土下座したようだ。

その後、そのスタッフは…言わなくてもわかるだろう。

注文してくださったお客様は、その取引が中止となったのか、昇進が剥奪されたのか、会社を去らざるえなかったのか。
詳細は不明だが、想像するだけでも恐ろしく、
その人の人生を狂わせてしまったのは間違いない。

我々花屋の責任である。

何が言いたいかわかるだろうか。

我々花屋は簡単に花を作って売るだけの仕事ではない。

昇進
誕生日
結婚記念日
開店祝い
退職祝い
お見舞い
枕花
お葬式 etc...

必ず、誰かの人生の節目である【花贈り】

その仕事が我々の仕事『花屋』だ。

私も過去何度も失敗してきた。
お客様に激怒され、問い詰められ、こちらが悪くなかったとしても頭を下げてきた。

花の先輩方にも多くの指導を受け、きつい事、辛い事たくさん経験させていただいて、そしてやっと『花屋』となれた。
胃に穴も空いた。時には鬱にもなった。

『花屋』とはどんな仕事だろうか。
『花屋』とはなんなのだろうか。

こんな世の中だからこそ、今一度原点に戻り
『花屋』の、本質を考え直し、今私が花屋としてできることをもっともっと考え発信していきたい。


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