ガラスの破片ひとつ
「人生なんて苦しいばっかよ。あたしたち苦しむために生まれてきたんだわ。世界はあんまり混沌としていて理不尽だし、人はこんなにも嘘つきで愚かしい。ゴミだめみたいな人生よ。それでも生きるの。どうしてだか分かる? ゴミだめの中に、きらきら光るガラスの破片ひとつ見つけたから。カラーセロハンの切れ端、砕けた貝殻、おもちゃのイミテーションダイヤ。そういったものを見つけては拾い、見つけては拾いしてあたしたち生きてる。そうして死ぬときには、そんな安っぽく光るゴミたちで両手がいっぱいになってりゃ