日本人に適した食事を学べば、病気にならない人生が待っている
今回は、予防医療を行うヘルスコーチとして活動している
石黒成治先生の著書「医師がすすめる少食ライフ」
という本の内容を紹介します。
老化の原因が食べ過ぎにあるというのは、多くの書籍や論文で語られて
いることであり、様々な情報が錯綜する健康に関する研究の中でも、
かなり信頼度の高い情報です。
老化を防ぐために断食やファスティングが必要だと分かっていても、
なかなか継続できないのが人間というものです。
食べない時間が続くと、脳内の欲望を発する部分から
「何か食べたい」との要求が出てきます。
また、脳だけではなく腸内に100兆個以上存在していると言われている
腸内細菌からも、「何か食べたい」と刺激を受けるので、
少食にしておこうと思っても、体の仕組みによって元の生活に
戻るよう仕向けられてしまいます。
今回の内容を通して、少食を行うメリットと、少食ライフを送るための
コツを学んで実践していきましょう。
長寿のコツ
日本人に合っている食事を考えるために、沖縄県について
考えてみましょう。
なぜ沖縄県なのかというと、沖縄はブルーゾーンと呼ばれる
世界でも健康で長生きの人が数多く居住する特別な地域の
1つだからです。
今では食の西洋化などが原因で平均寿命が少しづつ短くなっていますが、
沖縄県の高齢者が行う食事には学ぶところがたくさんあります。
沖縄の高齢者の主食は白米ではなくサツマイモなので、食事の60%以上は
サツマイモの他、大根やゴーヤなどの野菜で、魚や肉などの
動物性たんぱく質は殆ど食べません。
大豆などの植物性たんぱく質も5%程度で、タンパク質摂取量が少なく
脂質は殆ど摂取していません。
つまり、食事の大部分を占めるのが炭水化物(糖質+食物繊維)
だということです。
このことから考えると、タンパク質や脂質の摂取量は
長寿と関係無いように思えます。
これは最近の糖質制限ブームから考えると少し意外な結果ですが、
この結果だけを見て「好き放題糖質を摂取してもいいんだ」
と考えるのは違います。
食事というのは栄養素だけで考えるものではなく、その中身まで
しっかりと見なければなりません。
沖縄の高齢者の食事は白米ではなくサツマイモであり、
そのほか大根やゴーヤなどの野菜を中心に食べているので、
日本の他の地域の食生活とは大きく違っています。
サツマイモや新鮮な野菜には抗酸化物質が豊富ですから、そのことが
長寿の要因である可能性がありますから、ここからは抗酸化物質について
話を深めていきます。
健康について書かれた本には、
「〇〇という食材は抗酸化物質が豊富だから積極的に食べましょう」
と書かれてあることがあります。
抗酸化物質というのは、私たちの体の酸化ストレスを
軽減してくれる物質で、酸化ストレスの軽減は長寿と深い関係が
あると分かっています。
沖縄在住の100歳以上139人を対象にした研究を見てみましょう。
研究者は、酸化ストレスの指標である血液中の過酸化脂質の量を、
各年代別に測定していきました。
結果としては、100歳を超えている人の過酸化脂質が他の年代と比べて
圧倒的に低く、過酸化脂質の値が低い人ほど100年以上生きられる可能性が
高いことが示されました。
その他にも、抗酸化作用のあるビタミンEの濃度を測定してみたところ、
沖縄の高齢者は細胞内にビタミンEを高濃度で保有していました。
また、この研究から分かることは、今の高齢者が長生きだからといって、
若者も長生きできるとは限らないということです。
食事が西洋化してしまった沖縄の若者は、過酸化脂質の値が高かったので、
今後の沖縄県人に長寿は期待できないと考えられています。
日本の平均寿命を記録的なレベルに押し上げているのは60歳以上の
年齢層であり、その年齢層は20~30代の頃に現在のような
ファストフードやコンビニ弁当などの食生活はしていませんでした。
しかし、日本人の食事はこの50年で大きく変わってしまい、
食の欧米化などの影響によって生活習慣病の発症率が激増しているのです。
現在の西洋化された食生活を考えると、長寿というのが
このまま続くかどうかは疑問ですから、長生きしたいのであれば
それ相応の生活習慣を行わなければなりません。
日本人にとって理想の食事
2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを、
皆さんはご存じでしょうか。
日本は長寿国ですから、日本人が食べている和食にその秘密があるのでは
ないかということで、和食の健康効果が注目されています。
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