『ロラン夫人回顧録』第一部⑤
それ以来、父は私に手を上げることは決してなかった。私を叱責することさえなかった。父は私のご機嫌を取ろうと、絵の描き方を教えたり散歩に連れて行ったりして、私の目から立派に写るように、そして私が完全に従順になるように優しく扱った。7才の誕生日は、理性を持った年齢に達したものとして祝われるものだ。それくらいの年齢になれば私がすべてにおいて理性に従うはずだと誰もが思って当然である。然るべき敬意を私に払うようにして虚栄心をくすぐることなく意欲を維持させるのはとてもうまいやり方だった。