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翻訳『恋するオルランド』3巻第2歌

※『恋するオルランド』の中でマンドリカルドが登場する部分を抜粋してイタリア語原文から翻訳。

あらすじ

 太陽が昇るとマンドリカルドはヘクトルの武具がある城に戻って試練に挑戦する。数多の困難を克服してマンドリカルドはヘクトルの武具を獲得する。乙女はドゥーリンダナを入手するようにマンドリカルドに誓約させる。マンドリカルドはグラダッソとともに西方に向かって旅立つ。その一方、グリフォーネとアクィランテの兄弟は白衣の乙女と黒衣の乙女に出会う。2人の乙女は、ナイル川のほとりにある塔に住むオリロという悪党と恐ろしい鰐を討ち果たすように兄弟に依頼する。兄弟はナイル川に赴いてオリロと恐ろしい鰐に戦いを挑む。

1節~39節

 黄金の輻の冠を戴く太陽がその美しい顔を海からのぞかせると、明星はすぐにバラ色に染まった空に隠れた。渡りの燕の歌う声が館のあらゆる場所から聞こえてきた。庭園の小鳥たちは太陽が昇るとすばらしい歌を歌いだした[III-2-1]。

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