翻訳『恋するオルランド』3巻第8歌
※『恋するオルランド』の中でマンドリカルドが登場する部分を抜粋してイタリア語原文から翻訳。
あらすじ
パリをめぐる攻防が幕を開ける。アグラマンテの軍勢とシャルルマーニュの軍勢が激闘を繰り広げる。マンドリカルドもその戦いに参加している。遠くの高台から戦いを見ていたオルランドとブラディマルテであったが、意を決して捕虜を救い出す。オルランドと解放された者たちは一体となってパリに向かう。パリではマンドリカルドとロドモンテが奮戦を続けていた。オルランドはロドモンテを濠の中に落とすが、自身も昏倒する。アグラマンテの軍勢は攻勢を強める。やがて意識を取り戻したオルランドが復帰してシャルルマーニュ勢は一気に反撃に転じる。シャルルマーニュはアグラマンテを槍で馬から叩き落とす。アグラマンテはマンドリカルドに救われる。やがて激しい嵐が起きて戦いが中断される。傷を負ったブラダマンテは隠者のもとを訪れてルッジェーロの消息を聞き、治療を受けた後、探索に出発する。探索の途中、岸辺で眠り込んだブラダマンテを男だと勘違いしたフィオルディスピーナ[スペインの王女。ブラダマンテとフィオルディスピーナの恋は『狂えるオルランド』第25歌27節から46節でも語られている]は恋に落ちる。
15節
血に塗れた橋が濠に架けられた[Canova版の注釈によれば、たくさんの遺体が濠を埋めて橋のようになったということ]。マンドリカルドとロドモンテは急いで城壁を登ろうとした。大胆不敵なフェラグート[スペイン王の甥で有力な騎士の1人、多くの騎士たちと同じくアンジェリカに好意を寄せている]もアグラマンテ王もぐずぐずしていなかった。矢や槍が降り注ぐ中、命も顧みずに我先にと競って城壁を登ろうとした[III-8-15]。
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