ASDさんの自傷行為について考える
ASDさんは自分を傷つけやすい?
Ⅰ.ASDさんは自傷行為に走りやすい?
ASDさんにしばしば見られる
「自己刺激行動」。
ささくれや皮膚をむしる
皮膚をひっかく
皮膚などを擦る
髪の毛を抜く
などが挙げられます。
これが行き過ぎると自傷行為に繋がることも。
ASDを身内に持つ家族からは
心配事の一つとして挙げられがちです。
また、定型さんからすれば
なぜ自分を傷つけるようなことをするのか
理解に苦しむ面もあります。
今回は
ASDさんがなぜ自傷行為に走りやすいのか
その理由について考えていきます。
Ⅱ.「自己刺激行動」とは?
「自己刺激行動」とは
ASDさんにしばしば見られる特定の動作や行動のこと。
自己刺激行動を取る背景には
不安障害によるものが多いです。
主に
髪の毛を引っ張る(抜毛癖)
皮膚のささくれをむしる
興奮してくるくる回る
自分の腕などをひっかく
頬などを掻きむしる
何かを叩く
などが挙げられます。
特に抜毛癖は
典型的な自己刺激行動に多いですね。
ASDっ子の場合
爪を噛む
指をしゃぶる
鼻をほじる
などがあります。
特に強いストレスを抱えたり
不安な状況に陥ったりすると
ささくれむしりや
髪の毛むしりをしてしまいがちです。
Ⅲ.私の場合
私の場合
よくささくれをむしったり
髪を引っこ抜いたりします。
ささくれをむしる癖があるので
爪先はいつもボロボロです💦
髪の毛をむしる癖が出るようになったのは
小学生あたりから。
小さい頃は指しゃぶりの癖がありました。
ささくれむしりや髪の毛むしりの
癖が出る時は、大体
仕事でストレスを感じた時
仕事で疲れを感じた時
不安を強く感じた時
などストレスや不安が強い時に
癖が顔を覗かせます。
ストレスや不安が強いと
イライラした気分が強くなるので
ささくれ(たまにカサブタ)をむしったり
髪の毛を引っ張って抜いたりすることで
気持ちを落ち着かせるところがあるようです。
Ⅳ.ASDさんが「自己刺激行動」に走る理由
ASDさんに多い自己刺激行動。
自己刺激行動も反復的な行動で
ストレスをためやすいASDさんにとって
自己刺激行動はストレス解消の一つで
気持ちが落ち着く行動なのです。
ASDさんはどうして
自分を傷つけてしまうような行動に
時として出てしまうのでしょうか?
その理由として
「感情が昂った時にリアルな痛みを感じて落ち着くための手段」
「自分自身とのつながりを取り戻すため」
といった理由が挙げられます。
またASDさんに多い
失感情症(アレキシサイミア)の影響から
自分の中にある感情を
どう処理すればいいのか分からない
という混乱も大きいです。
ASDさんは
怒りや不安から生じるストレスから
感情が昂りやすい傾向が強め。
失感情症(アレキシサイミア)があると
自分が今内側に抱えている感情を
うまく言葉で表現することができない
という別の困難が生じます😔
行き詰まりを起こしたASDさんは
昂った感情を身体の痛みに変換させることで
自分に注意を向けさせて
感情を散らし安堵感と落ち着きを得ます。
ASDさんの中には
アルコールや薬物に走りやすい人もいますが
自傷行為同様、アルコールや薬物にも
感情の混乱や打ちのめされた気分を
遮断する効果があるので
アルコールや薬物に
定型さん以上に溺れやすくなるのも
「昂った感情を落ち着かせたい」という
気持ちが裏側に隠れているのです。
ASDさんが取る自己刺激行動について
やめるよう言うこともあるかもしれませんが
この行動がASDさんにとって
一種のストレス解消であることを
まず念頭においてほしいと思います。
しかし自分の身体を傷つけて
安心する行為は
他の人からしたら
理解できなかったり
時には恐怖心を抱かせたりするもの。
ASDさんが
自分がなぜそう感じるかを
理解するのに役立つスキルとして
瞑想
自己認識
ASDの診断
この3点が挙げられます。
特に瞑想は
自分が今何を感じているのか
どんな思考が浮かんでいるのか
自分が感じていることを
理解する手助けになります。
自分がなぜそのように感じるかを
理解することによって
自分を傷つけることなく
安全に対処する方法を身につけておくことも
大切だと感じます。