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【詩】ホットミルク

【詩】ホットミルク

自分に優しくあることを

うっかり忘れて

肌はカサカサ
心はカラカラ

寒い寒いと凍えています

ホットミルクで
身体をあたためて

お味噌汁の
野菜をよく噛んで

あったかいおてんとさまを充分に浴び

ようやく気力が戻ってきました

自分を置き去りにして

無理をしては

この身がもちませんね

【詩】現象

【詩】現象

発生は
目に 見えない

見える は
終わりの始まり

朽ちる

生まれる

滅する

今日もどこかで

静かに芽吹き

刻々と濃度を増し

いつしかそれは

現れる

【詩】時間の外に出る

【詩】時間の外に出る

ある日 僕が迎えにきた

「おい、いったいどこまで行ってるんだぃ」

うすいグリーンの光が眩しかった

---------

君が待ってるよ

過去と未来の間の

あの頃いつも遊んでいたあの場所で

頭が時間を作りだす前のあの場所で

時間が一直線なんて捏造する前の

点から点へ飛び跳ねて遊んでたあの場所で

君が待ってるよ

きっとまた一緒に遊ぶんだって

気長に

楽しみに

君があの頃のまま

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【詩】 限定公演

【詩】 限定公演

舞台は夜の公園

彼女は朱色のゴージャスなドレスを纏い

ライトに美しく照らされ

華やかな魅力を存分に放つ

季節限定の公演

いつもとは違う妖艶な一面に

より一層惹き込まれる

艶やかな佇まい

幻想的な陶酔感

私は恋をしたかのように魅了され

彼女から目が離せない

あぁ、朱くなってゆく

【詩】だから今がある

【詩】だから今がある

明るい人は暗い夜道を知っている

優しい人は残酷さに気づいている

賢い人は無知の愚かさを悔やんだ日がある

強い人は信じ抜く勇気の力を確信している

みんな とても 美しい

美しいなぁ

【詩】 青

【詩】 青

繊細さが情熱に変わる時

青い炎が

心の奥で煌々と燃え盛っている

【詩】行き交う道

【詩】行き交う道

あちらから来たあなたの

傘を傾げるその心が

この胸をあたたかくします

次に来たあなたも

傘を傾げたので

やっぱり人間ていいなぁと思うのです

今宵の新月が闇のフリして光を届けます

【詩】腹ペコ

【詩】腹ペコ

やりきれない時
おなかはちっとも減らないことがある

今、ぐぅーと腹がなる

〝腹の虫はご機嫌〟が嬉しい

【詩】ついついtoo much

【詩】ついついtoo much

扉を押したら思いっきり頭をぶつけた
その扉は〝引く〟だった

アドバイスをしたら煙たがられた
その時の正解は〝聴く〟だった

なんとかしようと動いても
なんともならなかった
この場合は〝待つ〟だった

too much

ついつい過多
ついつい凸

【詩】帰路

【詩】帰路

バスの帰り路

窓の外はショータイム中
夕空に思わず釘づけになる

下を向き小さな画面の中に入り込んでいた
自分を止める

感動はいつもそこら中に溢れてた

見えてないだけ
見ていないだけ

【詩】ある悲しい日に

【詩】ある悲しい日に

昔々のある悲しい日に

少女は思い込んだ。

この自分じゃないと愛されないんだと

勘違いした。

とても悲しい日か

 とても嬉しい日に。

その自分でなければ、生きられなかった。

生きてこられなかった。

自ら創った思い込みは自ら壊すことができる。

「わたし」など本当はないのだから。

【詩】大根さんに聴く

【詩】大根さんに聴く

こう見えて生まれたばかりの頃は
真っ白だったのよ

信じられない?

眩しいほどの白よ

みんなで
鍋の中でグツグツ煮えくりかえってたの

そうね、まぁまぁ長い時間よ

気づいたら染み染みになって茶色くなってたわ

わりといい味に仕上がってるんじゃない?

みんな、いい仲間よ

【詩】自己防衛

【詩】自己防衛

傷つきたくない

悲しい想いをしたくないと

恐れるあまり

傷つけて
悲しい想いをさせてることに

無自覚だった