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全然フォロワー伸びてないじゃん!~編集部の雑談~
北山:我々がnoteをはじめて3ヶ月が経ちました。
このアカウントは出版に関わる我々の実験の場です。我々は出版人として、読者がどんなテーマに興味があるのか、どんな文体が好きなのかを理解する必要があります。
実際に本を出す場合は失敗は許されないし、プレッシャーも大きい。だからこそ、ここで気軽にいろいろ試してみようってわけなのです。
ついでにこのアカウントが育てば、いろいろとメリットが生じるし、一石二鳥ですからね。
いまのフォロワーは103人です。
率直に聞きます。当初の目標だと、この段階でのフォロワーは何人のはずでしたか?
宮崎:1000人……。
四ツ谷:10分の1じゃん……。
北山:はい、そうね。もう面倒だからいつもの感じで話すよ。
宮崎はビジネス書の編集者、四ツ谷は学術書の編集者、俺はライターなわけだけど、プロが3人も集まっているのに、これではダメダメだね。
宮崎はSNSで活躍するインフルエンサーの書籍も作っているけど、伸び悩みの原因はどこにあると思う?
宮崎:note自体のアクティブユーザーの減少が問題だね。Twitter Blueの運用によって文字数制限がなくなって、わざわざnoteで長文を読む意味がなくなったんだよ。
四ツ谷:そんな状況でも人気なアカウントは人気なわけでしょ。noteだと最近は誰が人気なの?
宮崎:ずっと岸田奈美さんかな。noteって基本的に「他人の生活をのぞきたい」って願望を持っている読者が多いんだ。純粋に文才もあるけど、彼女の生活は、家庭の事情もあって強く興味をひくわけ。
ほかにもいるけど、noteだけでのし上がってきた人は少ないかな。そもそも成功例があまりない。
媒体を変えるなら、たとえばインスタに流用して、キュレーションっぽくする手はあるよ。
我々の記事でやってみるとこんな感じ。
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四ツ谷:さすがSNS担当部長! 仕事が早い! でも、文字量が多くて読む気にならないな……。もうちょっと削れないの?
宮崎:これ以上削ると、ルポとしての面白さがなくなるのよ。暗礁に乗り上げたな。
北山:それにしても、宮崎はいままでほとんど本を読んでこなかったのに、SNSは詳しいよな。川端康成も知らなかったくせに。
宮崎:俺は理系だから!
北山:文系理系関係ねえよ! 教養の問題! 信じられん……。
まあいいや、宮崎は和文体で一番美しい短編(だと俺が思っている)「片腕」を次までに読んでくることにして、いったん問題点を整理しよう。
①note自体が下火
②ルポとnoteの相性が悪い
③我々にコンテンツ力がない
noteに活路を求めて始めたアカウントだから、まだnoteで闘うとして、これからの方針はどうしようか。
ちょっと雑談。最近売れてる本で面白いのあった?
四ツ谷:ノンフィクションだと『つけ火のむら』(小学館文庫)は面白かったな。あれはnote発だし、都会の人の想像力をかきたてる「田舎の陰鬱さ」が鍵だったんだろうね。興味をそそる。
北山:横浜育ちの四ツ谷には、のぞき見的な面白さが刺さったわけね。
宮崎:最近だとさくらこ@飛田新地さんも面白いよね。「飛田新地」と「京大」っていうパワーワードの組み合わせが、バズった理由かな。
とにかく、普通は知らない世界である「裏社会」は興味をひくポイントだと思う。
北山:たしかに、我々の記事でもホストの潜入記事が一番コメントついたな。
四ツ谷:じゃあ、その路線で記事を仕込んでみよう。鍵は「裏社会」だ!
【「ルポ〇〇の世界」の編集部員たち】
北山:1994年生まれ。ライター。「文春オンライン」、「幻冬舎plus」などに寄稿。文系院卒。世の中で一番尊い出版社は河出書房新社だと思っているが、まだ依頼はない。署名は(円)。
宮崎:1993年生まれ。ビジネス書編集者。元メーカー勤務。理系。ほとんど本を読んだことがなく、川端康成の存在を29歳で知る。なお、三島由紀夫も知らなかった。署名は(宮)。
四ツ谷:1996年生まれ。学術書編集者。出版社3社を経験。YMOを心から崇拝しているので、最近は傷心気味。生粋のシティボーイ。署名は(四)。