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創作まとめ

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#小説

思春期の棘

 散りゆく桜がホームに流れ込んでくる。有松帆乃香と井上万里子は電車を待っていた。 帆乃香…

春は、まぼろし。

 「妖精の踊りを見たことがあるでしょうか?西の山にはたくさんの妖精が住まうというもので…

夢では生きて、お兄さま

 体温は35.8度。左手首にムスクを2プッシュ。部屋には、バーデンベルギアを飾った。よし、完…

サブリミナルレモンティー

 レモンティーのかおり。異国を思わせるのに、どこか懐かしい、レモンティーのあじ。  園町…

あの子が可愛くって、、

あの子が可愛くって、とまりません。 目で追ってしまいます。 犯罪者でしょうか? いいえ、…

夕日と共に沈むのは、遠くの誰かの嘆き。

私は女の子を知らなかった。 成熟した女性も知らなかった。 長い日を共にした幼馴染が「好き…

ボーイズ・ラブ

「いや、あの女が魅力的なのはわかるよ。だからっていまだにあいつに夢中ってのはひどいんじゃない?」 パンケーキを食べながらそう言う正也に何も言えなくて、ならば新しい記憶で忘れさせてよと言うと、おすすめの場所だと案内してくれたのがもいわ山ロープウェイだった。 山なんて名前だからある程度の移動を覚悟していたけれど、オシャレタウン円山公園からバスが出ていて思いのほかアクセスが良く、驚いたものだ。 本来は1800円するロープウェイだが、札幌市民の自分だけ1000円で乗車できること

ブルーlight blueミラージュ

高校生の時に書いた、もう手元にない文章を思い出しながらリメイクしました。 ・  ・   ・ …

美しゅうていたり

その子は笹塚駅から徒歩6分の海鮮が美味しい居酒屋さんの一番奥の席にいた。 レースのノース…

やっと無責任に愛をささやける

記念日にペアリングをプレゼントすると、その子は大きく驚いて小さな声でありがとうと言った。…

純潔ここにあり

「最近立川くんとはうまくいってるの?」 そう聞くとA子はしずかにうなずいた。 恋愛関係の…

たしかにこの街に天才少女がいた

その子がこの街に越してきたのは今から5年前だ。 街の中心地にあるこの店にやってきたとき、…