■2024年度共通テスト国語について②―古典(古文、漢文)のこと
今年もとうとう受験期に入りました。中学受験などはすでに佳境ですし、大学受験もそろそろ私立大学の入試が始まる頃ではないでしょうか。私自身、入試問題解説の仕事も来月あたりには一気に降ってくることでしょう。今年もがんばらねば。
さて、今回は今年行われた共通テストのうち、国語の古典分野(古文、漢文)についてお話します。
近年は受験科目がごりごり減っていく傾向にあり、理系学部を志望する場合、私立大学であれば国語そのものが受験科目に入らないことがあります。また、文系学部でも文学部あたりでなければ、現代文、しかも、評論のみの出題ということも少なくありません。
つまり、受験科目としての「古典」は、なかなかの絶滅危惧種っぷりを発揮しつつあるのです。そんななか、どうして古典(古文、漢文)を勉強するのかについて、こちらの記事に書きました。
私は学生時分から受験産業で働き、社会に出てからほとんどの時間を受験国語の講師として過ごしてきました。中学受験、高校受験、大学受験すべてを担当できるオールラウンダーです。もちろん、国語のみですが。そんな私の詳しい経歴はこちら。
今現在も毎年、入試問題の解説を書いています。そのため、受験国語の分析においても長い期間、多くの実績を積んでいます。
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入試問題には、その学校が志望してくる生徒たちに何を求めているかが如実に反映されます。殊に、国語は生徒たちが日常的に用いる言葉について詳細に問うものであり、もっと言えば、彼らの思考の在り方に直結していく科目ですから、その傾向がより顕著です。
また、共通テストは大学受験をする生徒の多くが解答するものですから、特定の大学というのではなく、社会全体として生徒たちにどのような言葉の在り方や認識を求めるのかが反映していると言えます。
もっと言えば、それは生徒たちにだけでなく、大人である私たちにも促したい大きな何かを含んでいるのです。
今年の共通テスト国語の古典分野は、そのあたりが如実に表現された問題ばかりでした。今回の記事ではそういったことにも踏み込んで解説しようと考えています。
ちなみに、現代文についての記事はコチラです。
また、これらの記事はすべてこちらのマガジンに収められています。
よろしければ覗いてみてくださいね。
それでは、2024年度共通テスト国語 古典分野の解説、分析へ行ってみましょう。
■第3問 古文
■本文について―苦手意識を持ったら負け
今回は「車中雪(しゃちゅうのゆき)」という、江戸時代に編まれた歌文集『草縁集』所収の文章が出題されました。
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