- 運営しているクリエイター
記事一覧
おこちゃま系彼女 Ⅱ
茜色の空から、甘いような光が窓から差す
人にはどうも腹をすかせると、甘いものを食べたくなる習性があるようで
現に、駅から出て腹の虫の暴れに耐えかねた俺は
手からプリンアラモードの入った袋が下がっている
○:帰ったよ
冷たいノブを下に押し、扉を開けた
目の前に、まるで餌を待つ犬か猫のように
玄関で待ち構えた彼女
理:遅いじゃん
○:そう思うなら、料理できるようになりなっての…
袋
おこちゃま系彼女 Ⅲ
少しジメジメとしてきた、この時期
未だ帰ってこないやつを待つ僕
○○:にゃろ、連絡くらいしろよ
今日は食べて帰ってこないということだけは連絡してきたので、料理が食卓には並んでいる
疲れていると、餌付けをしなければいけないため
僕は起きている必要があるのだ
少しして、マンションのエントランスからの音がなる
○○:は〜い
宅配か?
と思っていると
?:あ、遅くなりました〜
うさぎ
おこちゃま系彼女 Ⅳ
久しぶりに家事をしなくてよくなった
とまあ、なんとなく得してるように聞こえるけれど
本当は、それがままならないほどの体調不良
うちのうさぎもこのときばかりは、ちゃんと動いてくれる
理:○○〜
何か買ってくるものある〜?
○:アイスの実がほしい…
理:なかったらピノでしょ?
○:ローソンじゃなけりゃ、売ってるよ
理:はいはい、んじゃ行ってきます
うさぎが、買い物に向かってい
おこちゃま系彼女 Ⅴ
秋の味覚というのは、小兎には誘惑数多なようで…
○:…あのさ、何かね?
この山は
家に返ってくると、仕事が休みだった小兎が
スイーツの山を築いて、リビングのテーブルを占領していた
理:え、スイーツの山
○:金は自分のだろうからつべこべ言わないけど
…なんでそんなに無駄なもんを食うのよ
理:無駄なもんって何よ!
うちの小兎は、お菓子とかスイーツとか
自分の至福のものを否定されるの
おこちゃま系彼女 Ⅵ
世の中のカップルたちがわんさか盛り上がるあの行事がやっと静まった頃
我が家のスイーツ大好き子兎は、チョコレートを溜め込んでおりまして…
◯:ねぇ、そのチョコを僕にくれようとかそういう考えはないの?
理:だって、◯◯ビターチョコしか食べないじゃん
◯:いや、まあ…それはそうだけども
理:じゃあいいじゃん
甘そうな白いチョコを幸せそうに頬張る子兎
その姿を見れば、少しは物申す気持ちは薄れ
おこちゃま系彼女 Ⅶ
最近の梅雨というものは
遅く来るくせして、たちが悪く
暑いわ、突然スコール降らせるわ
正直頭が痛くて耐えられないのです
◯:頭痛ぇ…
僕はキッチンに立ちつつ、頭を押さていました
偏頭痛持ちな僕は、こういう季節が嫌いなのです
理:お〜い、◯◯
今日のご飯は…ってあれ?
呑気に動画を見ていた我が家のうさぎが、僕の方へやってきた
けれど、頭を押さえている僕を見て
心配そうに駆け寄っ
おこちゃま系彼女 Ⅷ
最近の夏とは、ほんと暑いものです
温度とかっていうのは、もう感覚がおかしくなってわからなくなりつつありますが
少なくとも、アスファルトジャングルの都会は死ぬほど暑いです
理:あ〜つ〜いぃ〜!
基本おっきな声を出さないうちのもこの有り様です
◯:は〜い、薄着で歩かないでくださ〜い
理:だって、あっついんだもん!
◯:エアコンの下でじっとしてなさいな
何故かは知りませんが、うちのウサギ
おこちゃま系彼女 Ⅸ
最近一気に寒くなってきましたね
なんでこうも寒暖差が大きくなったんでしょう
偏頭痛持ちからしたら嫌になります
僕は今、電気ストーブを自室に持っていこうとしたのですが
汚れが目立ったので少し拭いてます
◯:誰だよ、こんなところにお米の袋投げたの
理:あ、ごめん
久保ちゃんちのお米分けてもらった時にそこにおいたままだった
久保ちゃんというのはうちのウサギの職場の同僚で、よく実家から届く