おこちゃま系彼女
光によって起きる
そんな理想的な起き方ができたらどれだけいいことか…
度々思うのです
だって、僕の起き方なんて
理:んぅ…むぅ……
くまたん…
服を着たまま、ベッドに不法侵入したこの子の寝言によって起こされる
○:はぁ…
な〜んで服着たまま寝るのよ
せめてパジャマ着ろや
と僕は愚痴りますが
寝起きがとてつもなく期限の悪い僕の癖
○:ご飯作らないと
…足が痺れてる
圧迫されていたからか、足の当たりがピリピリとしている
手を洗って、口濯いで、着替えて…
○:えっと…
今日は金曜だから、パンケーキ…
メープルシロップ、あるか?
IHの上の戸棚を眺める
○:おぉ、あったわ
棚から取り出し
ミックスを作る始める
フライパンを温め、適温にする間に
皿とカトラリーと、コップを出す
○:ジャスミン、ジャスミン…
ティーバッグをポットに入れて、お湯を沸かす
○:同時進行で焦がしたくないなぁ…
寝起きのために、手先が狂ったらどうしようとも思う
○:ま、そんときはそんとき
割り切りの良さは、上司からもよく褒められる
裏でどう言われてるかは知らないけど
○:よしっ、3枚焼けた
うちの子は朝ごはんを美味しそうに食べる
なんて立って、ゆっくり食べるその姿が
とてつもなく可愛いから
○:さて、起こしてくるか
自分の分は後回しにして、寝室に向かう
○:起きろ〜
りりあ〜、おきろ〜
体を揺らす
起きない
○:りりあ、起きなって
頬を優しく叩く
起きない
○:かくなる上は…
頬を両手で持って
○:お、き、な、さ、い!
持った手で頬を広げるように引っ張る
理:んっ…いたい…
○:おはよ
ご飯できたよ
軽く頭を撫でて、僕は理々杏の手を持つ
理:ブリン、よこせ
○:食後な
こんなのが、毎日続く
理:食べた〜
○:お粗末様
さてさて、りりあ
あなたなんで僕の布団にそのまま入ってくるのよ
皿洗いは後回しにして、理々杏に問う
理:いや〜、なんでだろ?
匂い?
首を傾げながら答える
またその姿が可愛くて、愛おしい
○:そのあれだよ
詳しい理由
理:う〜ん、よくはわからないけど
○○の気持ちよさそうな顔を見ると、幸せな匂いがしてきて…
それで眠くなっちゃうんだよね
可愛い理由だな、おい
○:んまあ、それはいいけど
せめてパジャマ着て布団入ってきてね?
理:わかった
あと、一緒に寝ることは拒否しないんだ
少し馬鹿にするような声で言う理々杏に
○:いやだって
あんな可愛いぬいぐるみみたいな子と寝られるのは最高だからね
フフと笑いながら、僕は皿を洗い出す
理:ねぇ、今子供扱いしたでしょ!
ねぇ!
僕の背中をポカポカと叩くこれもまた
愛おしい