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おこちゃま系彼女 Ⅸ

最近一気に寒くなってきましたね

なんでこうも寒暖差が大きくなったんでしょう

偏頭痛持ちからしたら嫌になります


僕は今、電気ストーブを自室に持っていこうとしたのですが

汚れが目立ったので少し拭いてます


◯:誰だよ、こんなところにお米の袋投げたの

理:あ、ごめん
 久保ちゃんちのお米分けてもらった時にそこにおいたままだった


久保ちゃんというのはうちのウサギの職場の同僚で、よく実家から届く野菜やお米なんかをお裾分けしてくれる優しい子


◯:あのねぇ、ビニールのやつじゃないんだから
 砂とか糠とか付いてるかもとか考えないの?

理:いやぁ…まあ、そうだね

◯:全く…
 掃除する身になってくださいよ

理:え、何その私が掃除しないタイプの人間みたいな言い方


人並みにお片付けとかお掃除とかをするウサギではありますが

几帳面な僕からしたら…ねぇ…


理:あ、今自分のこと几帳面だって思ってる顔した

◯:事実じゃん

理:几帳面な人は、ぬいぐるみ達をあんな無造作に置かないと思いますけど?


と部屋の奥にあるぬいぐるみの祭壇を指して言う


◯:まあ、あれは…整列させると無駄にスペース取るし百均とかで置くもの買ってくるとお金かかるし?

理:尤もらしい理由つけてめんどくさいのを隠すな!


えぇ、僕は極度のめんどくさがりです

でも、やるとなったら一気にどーんとやっちゃう人なんです


◯:はいはい、すみませんよ
 てことでこいつ吹き終わったから部屋に持ってくんでどいてください


素直に謝って通してもらおうとしたら

ウサギが通せんぼしてきます

…コチョコチョしてやろうか、と思う気持ちを押し殺して


◯:なんでそんなことするの?


と優しく聞きます

すると、甘えるように上目遣いをして


理:私の部屋も寒いんだけど…それ譲ってほしい

◯:いや、別にりりの部屋エアコンあるやん

理:それ言ったら◯◯の部屋もあるじゃん

◯:あのね、前も言ったけどこの時期のエアコンって気持ち悪いのよ
 あと、あの微細な機械音が生理的に無理


繊細なんですよね意外と僕

職場だとそんな風に見えないとか言われますが


理:ぶぅ…レディーはね冬は足先とか手先冷えやすいの

◯:うん、それはジェントルマンも同じよ

理:いやいや、比じゃないから


いやまあ、たしかにそんな感じもしてくるなぁ

よく学生の時はこのウサギのために手袋買ってあげたり、生姜湯とか作ってあげた記憶がある…


理:ねぇ…お願い

◯:はぁ…しょうがないな

理:ありがと〜!

◯:僕はそれに弱いからなぁ…


このウサギのか弱くて高い声はなんだか心をくすぐるんです

本人の前では言えませんが、赤ちゃんに頼まれているようで…


理:ん?なんか失礼なこと考えてる顔してる

◯:考えてないから

理:ほんとにぃ?

◯:そんな疑うなら、今日の晩御飯ご飯と味噌汁だけにするぞ

理:…すみません、なんでもないです


基本人を疑ってくるときはご飯の話をすると大人しくなります

僕のご飯でしか満足しない体にしてしまったことを逆手に取れるのはありがたい


◯:よし、じゃあ寒さ対策は膝掛けにするか

理:あっ!それ僕が好きなポケモンのふわふわ毛布!

◯:僕のだぞ?そもそも

理:ねぇ…お願い…

◯:二回目は通じん!


結局、ふわふわ毛布もウサギのものにされました

大人しく新しい電気ストーブ買ってくることにします

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