おこちゃま系彼女 Ⅴ
秋の味覚というのは、小兎には誘惑数多なようで…
○:…あのさ、何かね?
この山は
家に返ってくると、仕事が休みだった小兎が
スイーツの山を築いて、リビングのテーブルを占領していた
理:え、スイーツの山
○:金は自分のだろうからつべこべ言わないけど
…なんでそんなに無駄なもんを食うのよ
理:無駄なもんって何よ!
うちの小兎は、お菓子とかスイーツとか
自分の至福のものを否定されるのがお嫌いなのです
○:これ以上食べたら
夕食食べられなくなるぞ
理:…さつまいもでいいんで
○:あのなぁ…秋の味覚が美味しいのはわかるけど
食生活のリズムは大事なんだからな?
理:でたぁ、○○のお説教ー
…今日の小兎は、意外と反抗的なので
奥の手を使うとします
○:…梅澤に電話するか
理:…ちょっ
○:だって、人が心配してるのに
聞く耳持ってくれないんだもんね〜
しょうがないよね〜
時々言われるけど
僕はどうも人を煽る才能があるらしく
いやみったらしく言うと、結構人の顔が歪んでいくのを目の当たりにする
…まあ、それが滑稽で仕方がなくて
笑ってしまって
ドSって言われんだけども…
僕が、コールをしようとボタンを押そうとする指を
頑張って背伸びをして、指を包み込むようにして止める
理:…おふざけが過ぎました
○:はぁ…
分かればよろしい
僕はスマホを降ろした
理:とりあえず、セーブします
○:ん、そうしてくれ
夕食は力入れて作ってやるから
エプロンをして、僕は料理に取り掛かった
梅:あれ、○○からなにか来てる
[小兎と料理]
梅:…何がしたいのあいつ
嫌味か?彼氏いない私に対しての
○:って言ってるんだろうな
理:何一人でブツブツ言ってるの
お風呂は上がった小兎が、僕の横に座った
○:梅澤に、煽るような画像を送ってやった
理:ドS○○だ
…ほら、髪やってよ
後ろを向いて、長く伸びた髪を預けてくる
○:手櫛した時に、痛いときは少し我慢しろよ
理:え…やだ
○:冗談だよ
僕の指が小兎の髪の間に入り
水分を飛ばすのを手助けする
ドライヤーってのは小さい頃から無縁だったけど
人にやるのは得意だった
…従姉妹が多かったのが由縁かもしれない
○:…はぁ
これ腕疲れるんだよな
理:じゃ、今度新しいの買いに行こうよ
○:理々杏の運動もためにもな
理:…またそれを言う
運動してないわけじゃないから
○:もう少し軽くなってほしいんだよね
ベッドで暴れられるのがキツイ
理:失礼しちゃうよ、レディーに体重の話とか
○:レディーじゃなくて、ラビットな
………
理:誰が小兎じゃ
こういうのも、仲がいいからかな